宇治で塾講師が女の子を殺害するという事件があって、その判決が今日でたわけですが、その報道に「アスペルガー症候群」が出ていたものだから、正直まいったなあ、勘弁して欲しいと思うところ。
ちゃんと診断を受けたわけじゃないから言い切れないんですが、もしかしたら自分はアスペルガーなんじゃないかなあという向きがあって、だからというわけではないのですが、ちょっと今感じているところを説明するのは難しい。
アスペルガー症候群というのは自閉症の一種だという話です。で、この自閉症という障碍については非常に誤解されて広まってしまっているという現状があり、私は以前からその状況に対し心を痛めてきたわけですが、だから、自分自身がアスペルガーかも知れないと知ったとき、自分がちゃんと社会生活を送れているということを示せれば、自閉症への偏見に対する反証になれると、そんな風に思って少し喜びもしたのです。
先にもいいましたように、自閉症に対しては非常に誤解があります。画一的なイメージや誤った認識などなど、こうした状況にアスペルガーという耳慣れない言葉によってまた異なるイメージが投げ込まれて、そしてそれが下手をすればさらに危険な誤解を生むのではないかと心配します。
これと同じようなことは、以前、中学生だったかな? の男子が年少の男の子にいたずらをし、その後立体駐車場から投げ落とした、でしたっけ? そんな事件があったかと思いますが、あの時にもやっぱりアスペルガー症候群という診断が出されて、このときにも今日とおんなじように思ったのでした。
こうした犯罪に関係するニュースにおいて特定の疾患や障碍を絡めて報道する際には、その疾患及び障碍が犯罪傾向と*イコールではない*ことを含めて説明して欲しいものだと思うのですが、新聞などの静的メディアとは違い、動的なメディアであるテレビなどでは難しいようです。そのため、耳慣れない用語が恐怖喚起をするのではないか、やっぱり心配になります。
自分自身のことに関しては、診断を受けるか受けないか、それが問題です。受けようが受けまいが今の自分が変わるわけではないから、どちらでもいいのですが、興味は拭えない。どうしたもんか、迷うところです。
(初出:2007年3月6日)
いや、そういうもやもやとかはないんよ。例えばキリンが「君はキリンだ」といわれて、そうかやっぱり自分はキリンだったかと思うのだけど、別にそういわれなくってももともとキリンだったよなー、とそんな感じでしかないのです。
もやもやがあるとすれば、別に深刻でも差し迫ったるわけでもない自分のようなのが、自分の興味を満足させる目的で診断を取りにいくというのは、いろんな意味で迷惑なんじゃないかなあと、そっちの方だと思う。
記事に寄せられたコメントのうち、自分の書いたもののみを転載しました。