銃からちょっと目を離した隙に子供が触ってしまい、暴発、その先にいた子供が死んでしまうという事件がありました。これ、親父さんは悔やむだろうなあ。それこそ、うっかり忘年会をすっぽかしたなんてどころでなく、残る一生を悔やむんじゃないだろうか、銃を見るたびに悔やむんじゃないだろうか、それでこの趣味はやめてしまわれるんじゃないだろうかと思われて、いや、しかしそれにしても痛ましい事件であると思います。その死んだ子に対して、撃ってしまった子に対して、そして子を失った親御さんに対して、痛ましさを感じてなりません。
(2007年12月10日)
佐世保の銃乱射事件についての報道を見ていて、これはちょっとやばい。事件そのものもやばいんだけど、今後予想されることがやばい、というかいやな予感がします。
端的にいうと、いい加減なコメンテーターやらが、この容疑者に精神的な疾患ないしそれに準ずるものを疑わせる断定的な発言をしたりするのではないかということで、そしてそれがそうした疾患を持つものにたいする偏見を助長するのではないかと、それを怖れています。
ところで、今、ブロードキャスターでやってたんだけど、銃による犯罪件数は01年から低下しているものの、今年は銃犯罪の多発により増加! なんていってるんだけど、昨年53件、今年54件、今年は後半月ほどで終わりますが、だとしたら誤差の範囲じゃないか。それに、銃が蔓延し銃犯罪が増えているっていうけど、だとしたら犯罪件数だけでなく、銃所持者の数に対する銃犯罪の割合っていうものをみないといかんのに(そしてその割合が出たとして、それが犯罪発生うんぬんを直接にいえるわけでもないことにも留意)、ここ最近ばたばたと印象に残るような銃犯罪があったという、記憶の新しさにつけ込んでの誘導めいたいかがわしい言説は勘弁して欲しい。
結局は、なんかいわなあかんと思っているところが悪いんだろうかなと思うんですが、そうした結果、へんてこな理屈やら偏見やらが出るんだとしたら、それはノーサンキューです。
(2007年12月15日)
Y嬢
うっかり犯罪って書いちゃったけど、ごく最近のことでは、銃の手入れ中に子供が触って暴発した事件があって、その後にこれが起こっています。もう少し目を過去に向けると、長崎市長の狙撃が今年の四月、現役警察官による女性射殺事件が今年の八月、人違いで入院患者射殺事件が十一月ですから、銃犯罪に対する批判を展開するには充分すぎるくらいに銃絡みの事件事故があったといっていいのかも知れません。
けど、件数としては昨年とほぼ同数。それなのに、印象の強さに頼んで、銃犯罪の増加っていうのはアンフェアじゃないかい? って思ったわけです。
Lさん
近所での出来事でしたか。こういう、普通の日常では起こらないことになっている事件が発生すると、ただ普通に暮らしたいと思っている人間にとってはショックです。社会というものは、こういったことが起こらないという約束の上に成り立っているものだと思いますから。
しかも、お知り合いの身内であるとか、これは本当にきついですね。ちょっと、私の想像の範囲を超えています。
Yさん
そう。メディアによるバイアスは、それこそ昔から多々、多々、ありました。そうしたバイアスが、物事をよくする方向に働いたこともまたないと思うのですが、それでもそうしたバイアスの再生産はされるのかと。人は学ばないなあ。がっかりしますよ。
というわけで、今回の事件に対して、がっかりする準備を済ませたわけです。
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