つい先日、ベースを欲しいだなんていったいたが、いったん思い始めるととめられなくなるのが私という人間の常だ。そう、ベースを買った。それも、欲しいといっていたアコースティックベースではなく、FenderのJazz Bass。なぜか? Jazz Bassがエレキベースのスタンダードといえる位置にあるからか。いや、そうではなかった。Jazz Bassを選んだ理由、それは、あるアニメが関わっている。
『けいおん』は、私の楽しみにしている四コマ漫画誌『まんがタイムきらら』に連載されている漫画だ。高校の軽音楽部に所属する女の子たちを描いた漫画。ヒロインこそはレス・ポールを弾いているが、しかし私はレス・ポールを買おうとは思わなかった。それは、きっともう持ってるからだな。ただでさえ弾いていないレス・ポール。この状況でもう一本買うのは無謀すぎる。なので、今は持っていない楽器、そして興味のある楽器、ベースを買おうと思ったのだ。Jazz Bassなら間違いない。持っていたとしても無駄にはならない。そうした計算もはたらいたかも知れない。
ここで問題が浮上する。『けいおん』のベーシスト、秋山澪の使っているベースのモデルはなんなんだ? 正直なところをいうと、私はベースには詳しくない。それがフェンダーのベースであることぐらいはわかるが、ジャズベとプレベの違いも知らなかった。なので、2巻の表紙を見て、ピックアップやピックガードの形状、ノブの位置などから、どうもジャズベだな。色はどうも3-Color Sunburstだな。しかしここから先がむずかしい。なぜって、ひとことでジャズベといっても、何種類もあるのだよ。Fendarのジャズベのカタログを見れば、ざっと9種類ほど出てくる。ここから絞るにしても、私の知識では簡単ではない。しかし、ここに秋山澪の特異性が加わればなんとかなるかも知れない。
彼女はレフティなのだ。
カタログを開いていけば、レフトハンドを用意しているモデルはひとつだけであった。それは、American Standard Series。American Standard Jazz Bass Left Hand、これのサンバーストがどうも正解らしい。しかし、ここでレフトハンドモデルを買うべきか。なにせ私は右利きだからなあ。昔、ポール・マッカートニーに憧れた人のなかには、右利きでありながらレフトハンドモデルを使ったという人も少なくなかったという。だから、私がレフティを気取っても問題はないだろう。ただ、アクセサリーとしてベースを買うならともかく、弾けるようになることが目標であるなら、その選択は少々まずい。音に直接的に関係する手は利き手であるにこしたことはない。特に、ベースは直接指で弾くことの多い楽器であるからなおさらだ。さあ、どうする? 苦渋の選択を迫られて私は、結局レフトハンドモデルはあきらめた。ゆえに選ばれたのはAmerican Standard Jazz Bass、ということにならあな。
買うべき楽器は決まった。となると、次は予算が問題だ。なにせ、年頭にソプラノサックス買ったからな。余裕がないんだよ。定額給付金の1万2千円という額をうらむね。景気浮揚効果を期待するなら、ここはどーんと12万だろうよ。などとぶつぶついいながら値段を確認したら、207,900円。店頭で確認しても15万円台。わお、これは無理。
かくしてFender JapanのJB62に決まったのであった。こちらは79,800円。レフトハンドモデルもあって、こちらは94,500円。って、ちょっと高いな。大変だな、レフティって。ともあれ、これなら6万で買える。うーん、どうしようか。ええい、買った。かくして、ベーシストとしての道を歩みはじめることとなった。
ちなみに、まだ弾いてない。
エレキギターもそうだが、エレキベースもアンプがなくては話にならない。とはいっても、でかいアンプは邪魔だし、もう予算もないしで、そうしたらVOXが面白いのを出しているのだな。その名もamPlug。前から気にはなっていたんだが、Bass用のもあるとは知らなかった。というわけで、アンプはこれでいいや。もう考えるのが面倒だったんだ。
しかし、これはちょっと面白い。ギター用のも買ってみようかな。