それは昨年のこと。私の愛したブランド、Littlewitchが無期限休止を宣言し、そして実際に休止してしまった。ああ、これで私の贔屓にしているPCゲームソフトハウスはTeam Muramasaだけになってしまった。しかし、忘れてはならない。Team Muramasaは全年齢向けゲームを作っているブランドだ。そう、年度もあらたまったことだ。いつまでも後ろ向きでいていいはずがない。また新たに贔屓のゲームブランドを開拓しなければなるまい。もちろん全年齢などではない。アダルトゲームブランドに決まっている。
気に入ったアダルトゲームブランドをひとつ持つ。それはいったいどういうことであろうか。それは、これら業界に気持ちを置くということに他ならない。思い出してみるといい、昨年とあるゲームがきっかけとなって、アダルトゲーム業界の息の根を止めようとするかのようなバッシングがあったことを。またその後も、漫画やアニメに対する規制、検閲に繋がりかねない条例改正が企図されるなど、表現に対するネガティブな動きはやむことがない。そうした事態を他人事として放置しないためには、ひとつでいい、贔屓のブランドを持つのが一番だ。ここがなくなると嫌だ、そう思えるところがひとつでもあれば、自ずと意識は違ってくる。
といったわけで、どこがよいだろう。普段、熱心に情報を収集しているわけでもない私のことだ、アダルトゲームのブランドはよく知らない。なので、ここは絵を見て選ぼうと、ただ待っているだけで向こうからじゃんじゃん絵が紹介される掲示板をしばらく読んでみた。その結果、マギウステイル、ウィズアニバーサリィー、暁の護衛がとりわけ人気であるとわかった。魅力的な絵が持ち込まれる、それらのほとんどが前記の三作だったというのだ。それほどなら間違いあるまい。かくして私は、これらの中からひとつ選び、そのブランドを好きになってみると決めた。