ネット上には生きた用例がいくらでも転がっている。だから語学の勉強にインターネットを活用しよう、というのは以前少し触れたことがありました。でもって、今回はより実践的なネットの語学活用法を紹介しましょう。というか僕のよく使っている方法、それは素晴らしい検索サイトGoogleを用例辞典代わりに使ってしまおうというものです。
ではここでGoogleの機能と特徴をちょっとおさらいです。
Googleは全文検索型の検索サイトです。対象はネット上のあらゆるページ(なのか?)であり、言語は英語日本語はもちろん中韓仏なんでもあり(なのか?)です。トップページもいろいろな言語向けに用意されていて、ちなみにGoogle Franceはgoogle.frです。でもGoogle 日本で検索しても結果は同じですから、使いやすいほうを使えばいいです。
そして今回重要となる機能、それはフレーズ検索という機能です。といっても大したことをするわけじゃなくて、「"(ダブルクォート)」でフレーズを囲むだけです。そうすると語の並びも含めて、そのフレーズでの検索が行われます。つまり、この機能を逆手にとって自分の作った文章が正しいか、検索してしまおうというわけです。
検索の際に気をつけなければならないことはそんなにたくさんありません。Googleは大文字小文字の区別をしませんし、ハイフンやコンマなどの記号も評価しません。そしてアクサン記号の有無も問題としません。だからそのまま小文字でフレーズを"で括っちゃえばいいのです。
では実際の検索の例をば。bien-êtreを調べたいときどうするか。bien-être(満足感)はフレーズじゃないじゃんという突っ込みはここではなしにしましょう。
Googleの特徴として、
というものをあげていました。そのうちの大文字小文字は今回関係ないとして、問題は記号とアクサン。これらが評価されないということは、"bien-etre"はともかくとして"bien etre"はどうだろうか、"bien,etre"なら?
端的に答えだけ言ってしまいましょう。結果は上の三つのどれで検索してもbien-êtreが検索されます。
大文字や小文字の別、記号の有無、アクサンの有無を意に介さないGoogleですが、そのかわり単語というユニットに関しては非常な厳格さでもって評価するから注意が必要です。例えば、複数のs、女性のe、動詞の変化も見落としてはならない。この些細とも思える違いで、Googleはまったく異なる結果を出します。場合によっては該当結果なしとなるかも、あるいは用例としては存在するが、間違った例を引っ張っただけということにもなりかねません。
Googleはありがたいことに、検索結果一覧に検索キーワードを中心とする本文の一部を添えてくれます。ですから、結果を一望するのには最適でしょう。またそのキーワードを持つページがどれだけヒットしたかの数も出してくれます。
ですからそのフレーズの良否を判断する場合は、
の順に判断して行くとよいでしょう。
例えばそれが有力新聞のサイトだったり公文書の類いだったりすれば、まず間違いない正書法であると考えることができます。そういった固い用例が出なかったとしても、圧倒的多数のページが見付かったなら、そのフレーズは多くの話者に支持されていることが分かります。
言葉というものは、時代世代文脈において正しい正しくないというのがあいまいさをもって変わります。ですから文脈が読み取れれば最もよいのですが、それはできれば最後の手段としたい。最後の最後に、読んで確かめるわけです。いや本当は最初からそうすべきなのではありますが……
最後にひとつ気をつけたいことが。長いフレーズを検索しようとすればするほど、当然のことですがヒットするページは減っていきます。なので適度に区切って、フレーズの核となる部分を抽出して検索するようにしましょう。でないと、本当に結果が出ないということになりますよ。
例えば、理由はないということを言いたいときに、
どれが一番ポピュラーなのか、そいつを調べてみましょう。結果は――、内緒です。
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