インターネット上ではあるのだけれど、フランス語でいろいろやり取りするようになってはや丸三年が過ぎて、その間毎日フランス語書いて読んだりしたわけではないけれど、結構骨のある文章読まされたりしたものだから、以前に比べてもずっとフランス語力は上がってるのではないかと思います。とはいっても、会話の方ではなくて文章の方で。会話はきっとすっかり駄目になってると思われます。
そうしてやり取りするときに、意外につまずくのは基礎的なことであったりするから困ります。目的語が先行する場合に過去分詞が性数一致しますが、その条件がどうだったっけとか、けれどこういったところはそれほど重要ではありません。仮に間違ったとしても意味は通じます。意味が通りにくくなるかも知れない嫌いはあるけれど、なにしろ相手はネイティブです、きっと理解してくれるでしょう。
しかし、こういった瑣末なところにとどまらない場合があります。それはなんといってもOuiとNonだと思う。そう、フランス語に限らず英語でもいわれることです。否定疑問で問い掛けられた際の答、Ouiで答えるか、Nonと答えるか。あるいはその逆。否定疑問で問い掛けたらNonと返ってきた。この場合、私はどのように理解すればいいのか、これがとっさに混乱します。
欧米語においては、このへんのルールは明確です。例えば、なにかがありますかと聞いた場合、それがあれば日本語でもフランス語でもはい/Ouiと答え、なければいいえ/Nonと答えます。ではこれが否定疑問になったらどうか。ありませんかと聞いたとき、あれば日本語ではいいえ、フランス語ではOui、ない場合には日本語でははい、フランス語ではNonです。つまりフランス語のルールでは、疑問文が肯定であろうと否定であろうと、あるならOui、ないならNonです。非常にシンプルにできているので、特に迷うことなんてないはずです。
とはいっても、母語の呪縛というは馬鹿にできないもんです。ついこの間、それをする必要はありますかという問に対し返ってきた答がNon。一瞬たじろぎます。もちろんNon一言ということはない。その後に説明があるから、文脈からも必要ないということがわかる。ですが、それでもNonのインパクトは強く、果たして私はすべきなのかそうではないのかと、いくばくか混乱してしまうのです。
なので、私はこういう問い合わせをするときにはなるたけ否定疑問は使わないようにしています。で、肯定で疑問を投げ掛けるのに、返ってくる答にたじろいでしまう。これはもう、否定疑問のロジックに怯えてしまってるからとしか言い様がない。日本語とフランス語でははいといいえの関係が逆になる場合があると、注意して注意して注意してきた結果、NonないしはOuiと返ってくるとたじろぐようになってしまった。身構えて、さあどっちだと力んでしまうようになってしまった。力むからわからない。力むから混乱するのでしょう。
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