原題:The Day After Tomorrow
2004年/アメリカ/2時間4分
監督:Roland EMMERICH
提供:20世紀フォックス映画
地球温暖化の要因となるガスの排出規制を謳う京都議定書がようやっと発効にこぎ着けて、まずはなにより。温暖化に伴うとされる気象異常を目の当たりにしたここ数年、このまま行けば地球はどうなるのだろうと危機感を持った人も多かっただろう。手は打てるうちにうっておきたい。最悪の事態になって、ようやく気がつくようではあまりに遅すぎる。最悪の事態? そう、この映画に描かれるようなことが現実になったとしたら、我々はどうしたらいいというんだろう。
巨大な低気圧が発生し、地球は氷河期に突入する。数秒で生物を冷凍死させる異常寒波が猛威を振るい、人類の英知ももはや歯が立たない――。この映画はあくまでもフィクションなので、いくらなんでもこんなに急速に地球環境が変化するとは思えないのだが、しかしこうした時代を我々がこの先迎えないとはかぎらない。問題なのは、そうなったときに後悔するかどうかだ。打てる手があったときにそれを打たず、ただただ明日も今日と同じ日常が続くだろうと無邪気に信じて、今日の繁栄をむさぼるばかりであってよいのか。映画のいわんとするのはそういうことなのだ。
映画での悪役はアメリカ副大統領で、政治音痴経済音痴といって主人公の言葉に耳を貸そうとしない。映画での異常気象は次の通り。インドでの降雪、東京では雹が降り、ロスアンジェルスを竜巻が襲い、ニューヨークには津波が押し寄せた。そして北半球の凍結。結局人類にはなすすべもなく、主人公にしても、ニューヨークに残された息子を助けにいくのが関の山、気象異常を停めることなどは誰にもできやしないというわけだ。
昨年の暑すぎる夏、記録的な降雪を見た今冬を経験した私には、この映画は見過ごしにはできなかった。生活には不便を生じても、京都議定書の発効した今、なんらかのアクションを起こさないとという気持ちがある。それでも氷河期がくるというなら、そんときはしゃあないわな。
評点:3++
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