超オフレコ! 特大版

現存してたのねこういう番組

表題:超オフレコ! 特大版 怪事件&未確認生命体鳥肌ゾワゾワ究明SP
放送:2001年2月14日水曜日19時から20時54分 TBS系局


 いつの世も、よく判らない現象については誰もが興味津々だ。怪奇現象、未詳の生物、奇跡。それはフィクションとしてもノンフィクションとしても伝えられ、だが虚構としてはどこか疑いきれない思いが残り、事実としてもどこかに信用できない胡散臭さがつきまとって、それがまたいい味を出している。信じる者も信じない者も、話題として取り上げた時点で足を取られている点では一緒。本当だと言い立てれば眉唾度は高まり、嘘だと言い張れば疑惑は深まる。そのバランスが面白さの根源。グレーゾーンであればあるほど、話題の価値は高まってゆく。

 とはいえ、いいかげん歳をとってくると、そういうことがだんだん信じられんようになってくる。昔は怪奇ものの漫画、映画なんかを見ては、夜自室に一人でいられなくなったりした。なにより怖いのは風呂場で頭を洗った後、想像が勝手に暴走して、目が開けられなくなったりする。もし目を開けたときにそこに血まみれの青い顔をした女がいたらどうする? ってこれは実は今もときどき思う。

 けれども、そういう想像で本当に目を開けられなくなるということはなくなった。って、そりゃこの歳でそんなことでびくびくしているのもばからしい。怪奇映画、漫画を見ても冷静で、そういう意味では徹頭徹尾冷めきった関心だけになってしまった。

 それでも怪奇、オカルトに対する興味は尽きない。もしかしたら本当のものがあるのではないかという期待、けれどその期待が充足したこともまたなかった。昨年末の岐阜の新興住宅の怪奇現象に対しても超常現象の可能性を否定せず、昨年大晦日に五山送り火が焚かれたことには最後まで懐疑的だった。頭から信じているわけではない。しかし冷めた心と同居するのはあくまで興味なのだ。

 てなわけでこの番組を見てしまった。いや、ばかばかしいとは思ってる。けれど昔ながらの雰囲気がぷんぷんして最高。木曜スペシャル的懐かしさに涙ぐむ。良い。


評点:4


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公開日:2001.02.15
最終更新日:2001.08.29
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