『つじあやのと行くうららかウクレレ散歩道――コード付き歌詞集』
つじあやの監修
ドレミ楽譜出版社,2002年。
しまったしくじったと思ったのはなにも内容が悪かったからではなくて、これを楽譜だと頭から思い込んでいたがためだった。公式サイトにあった「つじあやの楽譜集 遂に発売」なんて文言に加えて出版がドレミ楽譜だもんだから、すっかり楽譜と決めつけてしまっていた。ピアノ伴奏版は楽譜だったのも運が悪かった。現物確認せずに発注してしまって、それが失敗のもとだった。つじあやのウクレレ本はコード付き歌詞集だったのである。
内容は写真が五葉。インタビュー、使用楽器紹介が各一頁。そして歌詞集。歌詞にはコードネームだけでなくダイアグラムも表示されているので、コードをうろ覚えでもなんとか弾けるところは初心者にとって嬉しい配慮だろう。ただ悲しいかなメロディには譜が付いていないので、つじあやのの歌を一曲たりとも歌えない私などはまったく手も足も出ないのである。知っているフレーズはある。だが知っているすべてを合わせても五小節に満たない私には、やはりまったく使えぬ一冊なのである。
本書はあくまでもつじあやのファンのためのものである。つじあやのが好きでメロディなどはそらんじている。そういう人でなければまったく使い物にならない。つじあやのに近付くためにウクレレを買い、けれど楽譜も読めないしコードも拾えないとなればやはりこの手の本が役に立つのである。そう、知っている歌ならば楽譜なんていらないのである。実際すべての歌い手が楽譜を読んでいるわけでもない。だが私なんぞにはその楽譜が命なのである。
巻末にはウクレレ入門のページとディスコグラフィが付録している。ウクレレ入門はウクレレを弾こうという向きには不足だろうが本書の利用には充分である。ディスコグラフィは私のような人にCDを買ってくださいということだろうか。しかし今からつじあやのをそろえるのは骨であるから、結局私は公式サイトの試聴を利用して少しでも元を取ろうとするのである。
評点:2
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