『だめんず・うぉ〜か〜』1から4巻
倉田真由美
(SPA! COMICS)扶桑社,2001年- 。
本屋でぱらぱらと数頁をめくってみて驚いた。いやなに、内容はといえば女たちの不幸な男性遍歴自慢と言った体でさして読むべきものでもないと思ったのだが、少々引っ掛かるところもあって結局買ってしまった。引っ掛かるところ――それは自分がこの本の言うだめんずの一員であるという点である。
いや、だめんずと言っても女に手を上げる暴力男だったり女癖悪くあちこちで浮気を繰り返すという訳でもなくましてや博奕にはまるでもなく虚言癖もない。一言で言えば生活力に欠けているのである。自由が好きなのだ(この一言の解釈は実に微妙であるな)。とにかく本書には自分の写し、同類とも言える男どもが多くあって、そんな男に引っ掛かってしまう不幸な女の不幸自慢の数々。これを共感の涙とともに読むか他人の不幸は蜜の味と思いつつ読むか、それは読者の自由である。ただ私はこれを自分の駄目さ加減を突きつけてくるものとして、反面駄目な私もいつかもしやとあらぬ期待を抱いて読み、結局のところ複雑である。
私の女友人に男運の悪いのが一人いる。その娘の遍歴を聞けばどうにもこうにも納得いかない。私の女友人の友にもまた男運の悪いものがいて、なぜ自ら不幸を招くかとやはり解せない。彼女らは育ち方を誤ったのだ、理想の男性像を築く過程で失敗したのだと結論せざるを得なかった。だが育ちきった今過去をやり直すことは不可能なのだから、そんな女たちにこの本は自己を客観視する切っ掛けとなるのではないかと期待してみる。今度女友人にこの本を見せてやりたいと思う。数多いるだろう不幸な女たちが自らを知り不幸から脱却することを願いつつ、それでも本書の現実を異世界を見るように傍観するのが私である。
なお一巻七十三頁で私の期待はあっさりと引導を渡されている。女性女性した女って好きじゃないんだよね。だもんで、需用と供給が一致しないことまさに平行線をたどる列車のレールの如きである。
評点:3
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