Tommy february6 “Everyday at the bus stop” in: EVERYDAY AT THE BUS STOP (DFCZ1037-8)
Tommy february6といえば、誰あろうブリグリの川瀬智子なのであるが、例にもれず、僕はそういうことにまったく頓着していなかった。つまり、誰が歌ってるか知らなかったというわけ。僕にとっては、誰が歌ってるかなんて些細なことより、この妙に一昔前のテイストを持たされた歌に対する興味のほうが、ずっと優っていたんだ。
リフレインに入る直前の一時的転調にはっとさせられ、エフェクターを通ってくる声質にはぞくぞくするほど惹き付けられる。アップテンポの曲調に、ほぼ地声の女性ボーカル。これらを筆頭に、この歌の持つ多くの要素は、僕の趣味嗜好に非常によくあっていた。そんなわけだから、ラジオやなんかでこの歌が鳴るたびに、僕は耳をそばだてて聞いていた。ただ、歌詞に関してはまったく気にしてなかったんだけれどもね。
しかし、しかしだ、ある日なんの気なしに見ていたテレビ番組で、この曲が取り上げられて印象は一変した。それまで、僕はTommy february6を見たことが無かったんだな。まさか、あそこまで戦略的に作り上げられた外見を持っているとは、想像だにしていなかった。
八十年代アメリカを思わせるファッションに身を包んで、極め付けは眼鏡。あんたのことだからさぞやそそられるものがあったろうとおっしゃるかも知れないがさにあらず、一目見て大嫌いになってしまった。というのも、僕は眼鏡っ娘が嫌い。特に、Tommyの時折眼鏡に手をかけくいっとしなを作るしぐさ、これがたまらなく嫌い。虫酸が走ります。
このしぐさ、PVのメイキングを見ると、どうやら偶然できたもののようだが、結局これがこのプロジェクトを貫く、ひとつの色になってしまっている。さらにその上、PVでは眼鏡を光らせたりなんかして……
シングルはPVを収めたDVDとの二枚組み。ということは、Tommyはあくまであの外見あってのもの―― 僕は歌だけでいいです。
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