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二千八年のお年賀

 実は今年は年賀状はやめようかと思っていました。といっても、まったくなにもなくしてしまうのもなんだから、年末に買ったペンでもって、新年明けましておめでとうございますうんぬん、つらつら書き連ねてそれで仕舞いにしようと思っていたのです。けれど、まさに明日年賀状に取り掛かろうと思っていた前夜、布団の中で、これだというアイデア思いつきまして、それはですね、ネズミの足跡ですよ。ほら、動物図鑑とか見ましたら、野生動物の足跡なんてのが一緒に掲載されていたりするでしょう。それをやろうと思ったんです。ひとつ大きめのものをどんっとおいて、そこにネズミの種類を記載する。それも学名やら生息地、体長、特徴なんかを、図鑑っぽく書いてやろうじゃないかと思ったのです。

 さてここで誤算がひとつ。サイトを力強く巡ったら、ひとつやふたつネズミの足跡扱ったサイトくらい出てくるだろうという目論見がはずれたのですね。あちゃー、参りましたよ。仕方がないので、Flickrさまよってみたりもしたのですが、出てくるのは雪上の足跡等々、きっちりとかたちを判別できるものは皆無。かろうじて見付けたのは、アニマルトレッキングを扱ったサイトで、ここでまた私の誤算がひとつ。ネズミの足跡って、こんなに小さいんだ! もっと細長いものだと思っていたんですが、こりゃあ駄目だ。うーん、どうしよう。しかたない、歩かせるか。こうして今年の年賀状は決まりました。

 今回使用したアプリケーションはAdobe Flash CS3とAdobe FireWorks CS3の二本です。先ほどのサイトを参考に、Flashで足跡を描く。それもトラックボールでぐりぐりと、適当に描いて、なんつういい加減な! いやそれでいいんです。どうせ、私も含めて、ネズミの足跡に詳しい人なんてそうそういないんですから。おかげで、もとの絵とは似ても似つかない、つまりは動物学的には極めて問題ある足型ができました。

 足型がひとつできれば後は簡単です。複製させて反転、それを点々と並べて、均等配置にしたり、位置揃えしたり。それをepsで出力して、FireWorksに持ち込み。もちろんこれだけじゃ寂しいから、大きく謹賀新年と大書して、それっぽい雰囲気あるフォントを探してみたら、韓国語のものに落ち着きました。ただ、私はいまだにハングル読めないので、フォント名紹介できません。

 かくして、年賀状の図案は決まりました。でもこれはまだ完成ではなくて、文字と足跡のあいだに広がる白地に、ペンでもって挨拶をどかどか書いていくんですね。むしろ主体は手書き文にしようと思ったわけです。だから、ここに置いた図案はあくまでも枠に過ぎないというか、制作途中のものであると、そういう位置づけになろうかと思います。

  1. [二千八年年賀状]

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公開日:2008.01.04
最終更新日:2008.01.04
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