私がギターをはじめるより、ずっと前のこと。母がどこからかマンドリンをもらってきて、このときにはすでに弦楽器を弾きたいという気持ちがあったから、喜んで弾こうとしたのだけど、まったくノウハウのない状況で、しかも身近に経験者がいるわけでもないって環境で練習するというのは難しかった。なにせ、チューニングがわからない。調べればヴァイオリンと同じってことはわかる。しかし、弦を巻き上げていく、それが実に怖ろしく、だって、こんなにもきついものなのか? ものすごいテンションになって、これオクターブ間違ってるんじゃないか、弦が切れないか? ネックが折れないか? ものすごく心配になって、だからレギュラーのチューニングにしたことは一度もなかった。
さて、そのマンドリンというのはこいつだ。鈴木の古いもの。今はこのヘッドのモデルはない模様。
今、このマンドリンをひっぱり出してきて、ちょこちょこ練習している。自分のよく知らない楽器に触れるというのは楽しいことで、こわごわチューニングして、そのテンションに怖れおののきながら弾いてみて、いやしかし指が痛い。本当にこのテンションは正しいのか? ネックが順反りして弦高が高くなってるとかじゃないのか? しかし、これ以外にマンドリンに触れたことなど一度たりともないわけだから、このテンションが正しいのかどうかわからない。しかたがないから、このテンションに慣れてしまおうかと思っている。