12弦にはカポが利かない

 12弦ギター、練習はなおも継続中。今日はなんでかストロークをやりたい日だったらしく、それっぽくストロークして遊んでいたが、やっぱり私はアルペジオが好きなのだ。といったわけで、ピックなしでアルペジオ。きっちり弾けているかといわれると、残念ながらと答えるほかないのだが、それでもだんだん様になってきた。コツがわかってきたのだろう。特に左手のコツがわかるようになってきた。あるいは力がついてきた? どちらでもいい。12弦を弾けるようになり、またこれが普段のギターにフィードバックされれば、きっと最高だろう。それまではただただ弾くばかりだ。

 さて、アルペジオでもってなにをするかといえば歌の伴奏だ。歌うということは、歌いやすいように声の高さに調を合わせてやることが肝要だ。そうした場合に役立ってくれるのがカポタスト。ネックにはめ、弦をきっちり押さえることで、開放弦の音高を変化させることができる便利ツールである。しかし、このカポタスト。こと12弦ギターとなると具合がよろしくない。開放のきらびやかな響き、それが損なわれてしまうのだ。

 なぜか、それを説明しよう。12弦ギターは、第1コース、第2コースを除き、オクターブ違いの弦が張られている。それがくせ者だ。1オクターブ高い弦が張られるということは、それはすなわちより細い弦が張られているということに他ならず、ペアになる弦との高さがずれている。ああ、ここでいう高さというのは、指板から見た弦の位置。なんといったらいいのかなあ。でこぼこしてるんだ。低音の弦が高音のそれに比べて少し出っ張っている。そして、これがカポを使いづらくしている。

 カポをはめると、低音弦はきっちりと押さえられるが、高音の弦がそうはならない。カポのゴムが密着せず、少し浮いているんだ。そのせいで、よくてびびる、悪いとミュートされたようにペンペンとしか鳴らなくなって、おかげで12弦特有のきらびやかさが損なわれてしまうのだな。もちろん押弦すれば問題ない。しかし、全部を押弦するってこともそうそうないわけで、それにセーハをうまくできないという問題もあるわけで、これどうしたものかな。この楽器がたまたまそうなのか、それとも12弦ギターというのはそういうものなのか。対策考えるなら、ナットを作り直すということになるんだろうが、私はそもそも現状維持派だから、あんまり触りたくない。けれど、うまく弾けないのは困る。これは悩みどころだわ。

 もしこれを主力として使うのなら、一も二もなくナット作り直しだろう。滑りが少々悪く、プレーン弦巻き上げる際にキンキンいうから、この辺なんとかできるとチューニングの安定にも寄与するだろう。けれど、今の時点では、弾き手の問題で実演には向かない状況だ。なので、少々の悩みどころ、先送りにすることにしよう。


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公開日:2008.06.01
最終更新日:2008.06.01
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