フラメンコ・レッスンというのは映画『ピアノ・レッスン』のもじりのつもりなんだが、多分誰も気付いてくれないし、気付いたとしても誰も指摘してくれないだろう。ともあれ、かねてからの希望が叶い、フラメンコギターを習いにいく運びになった。自分から教師を探したわけでもないのに、ひょんなことから紹介してもらえることになって、これは大変ありがたいことだと思ったのだった。
しかし、レッスンなんて随分久しぶりだ。もう十年ほど、レッスンらしいレッスンは受けてないんじゃないだろうか。久しぶりのレッスンは緊張するが、楽しみでもあった。
フラメンコギターを習いにいくのはいいとして、私の習いに行く先では楽譜を使わないとのこと。楽譜を使わないというレッスンというのは、これまで一度も経験したことがないので、少々勝手が違う。楽譜というのはやっぱり便利なもので、楽譜を見ればしなければならないことがわかるようになっている。楽譜に記されていないことでも、注意事項や練習項目などをどんどん書き込んでいくものだから、後からでもやるべきことを思い出すことができる。
ところが、フラメンコギターのレッスンではそれがないのだから、とにかく覚えなければならない。もちろん記憶に頼るだけじゃない。録音できる機器を持ってくるようにといわれ、持っていった会議用のカセットレコーダーで、基礎的な技法やコンパスのお手本は録音してきた。音楽の録音を想定した機器ではないので音質は悪いが、これはこれで充分だった。ある意味楽譜以上に、音楽を記録して、後からプレイバックすることのできる手段であるのだから、とてもいい手だと思った。
しかし、音が残ったとしても、音だけでは指使いなどがわからないというのが危ない。もちろん習っているのであるが、人間はものを忘れるようにできている。忘れてしまったのをいいかげんに復元して練習すれば、害になりかねないのであるから、だから基礎的な部分を書いて残しておこうと思ったのだ。で、どうせならサイトのコンテンツのひとつにしてしまったらいいと、そういうわけで覚書をここに記しておこうと思う。
初回のレッスン内容は、本当に基礎的なことであった。習ったものは以下の通り。
アレグリアスは、12拍単位で構成されるコンパス。3-3-2-2-2のパターンで、各グループ(といっていいのか?)の最終拍にゴルペを打つ。慣れてしまったほうがよい。
第2回の覚書 >