指を痛めてしまった

 まずいことになった。指を痛めてしまった。

 昨夜、スケールをさらっていて、mとaを交互で弾いているその途中、鈍い痛みが薬指付け根あたりに走ったかと思うと、途端に手指に違和感を感じるようになった。確かにそこそこ速度は出てはいたものの、別に極端に無理をしたわけでもないのにこのていたらく。うまくいかないものだなあという気持ちが胸中にあふれた。

 痛めたといってもたいしたものじゃない。多少筋を痛めた程度のことで、腱鞘炎とは違うだろう。動かしてみてもたいして痛みはなく、数日で完治するに違いない。私は多少安心したが、しかし同時に選択を迫られた。練習を続けるか、やめるか。

 こうした場合、俄然張り切って練習を続けるのが私の通例だ。性分なんだから仕様がない。状況が悪くなればなるほど、頑張ろうって気になるのが私という人間なのだよ。実際、今回にしても同様の頑張りが発揮されようとしていて、だが私はすんででこの頑張りを押しとどめた。

 指の痛みを過小評価して練習を続け、故障が長引く方が問題であるからだ。慢性的に故障を抱えて、そのせいで延々問題を抱えることにでもなったらそれこそ馬鹿馬鹿しい。一時の情熱の高まりで、その後何十年と続くギター生活に影を落とすようなことがあったらそれこそ愚かである。

 なので私は早々に練習を引き上げて入浴、湿布を貼って就寝した。薬指を酷使しないよう、中指薬指小指の三指を包帯でぐるぐる巻きにして、だからタイピングが非常にやりにくい。しかし、ギターが弾けるくらいに恢復するまでの辛抱だ。

 一晩明けて、特に腫れなどは見られない。だから簡単に、指が忘れない程度にギターを弾くなら問題ないだろう。最悪の場合は、ピック弾きの練習でもするさ。


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公開日:2005.08.15
最終更新日:2005.08.15
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