ラスゲアードとはなんだろうか? ラスゲアードとは通常の指弾とは異なり、指の爪側を用いて弦を掻き鳴らすようにする奏法である。フラメンコギターにおいて多く使われるが、いやクラシックギターでも普通に使われる奏法である。
昔、高校時代、友人がクラシックギターをやっていて、彼はシャイだったからなかなかギターを弾いてくれなかった。その彼が珍しく弾いてみせてくれたことがあって、繊細なトレモロなんかにも驚かされたものだったのだが、もっと派手で目立つようなのはないかといったら、これをやってくれた。
強い印象といっても乱暴というのではなく、むしろ華やかできらびやかな、花火のような奏法だ。かっこいいぞ。私はラスゲアードが好きだ。だもんで、ラスゲアード練習中である。
ラスゲアードで弾くときに注意するのは、決して力で弾かないことだそうである。派手な効果を期待して、力任せに乱暴にやってしまう人が多いそうで、そうなってしまうともう駄目らしい。爪が弦上を軽くなでてゆくようなイメージで弾くのがよいらしい。
と、これらはすべて聞きかじった知識である。
実際問題として、このあたりは教師につかないと分からないのではないか。私は独習なので、誤った奏法、間違いを繰り返しているおそれがあって非常に不安である。確かめる方法は、自分の出音とレコードの聞き比べしかなくって、自分の耳など信頼がおけるかい。
誰かフラメンコやってる人、クラシックやってる人に聞いてもらったほうがよいね、きっと。
弦を爪側で弾くラスゲアードは、当然のことながら爪が酷いことになる。こすられた爪、五指が五指ともに白く削れてしまって、加えてスチール弦のフラットトップでやってるせいもあって、被害は甚大だ。
でも多分私の爪は強い。割れるでもなくぼろぼろになるでもなく、表面が少しばかり荒れるくらいで済んでいるのだから、よっぽどラスゲアードばかりやらないかぎりは充分もってくれそうだ。
ラスゲアードはね、ジプシー・キングスがこういうのでルンバを弾いていて、もちろんそれがかっこいいのもあって、できるようになりたい。ミーハーだな。でもまあそれでいいのよ。