諸君、私はチューニングが嫌いだ。苦手なんだ。だから、CNETが伝えたニュースにはいたく興味をそそられてしまった。そう、どれほど熟練した弦楽器奏者でも演奏中に音をはずすことは多い
という書き出しではじまるやつだ。
百聞は一見に如かずという。次に紹介する記事をまずは読んでいただきたい。
そのシステムはThe Performerというそうだ。レスポールをはじめ、ストラトキャスターやテレキャスターといった多様なギターに装着することができるこのアイテムは、スイッチひとつでファインチューニングを実現するという代物だ。その正確さは、セントにして±2の誤差しかないというが、私は果たしてこれほどにきちんとチューニングできているであろうか。しかもThe Performerは、この高精度のチューニングをわずか5秒で完了させるそうだ。この正確さと早さには、人間が太刀打ちすることなどできやしないだろう。
しかし、フォトレポートを見ればわかるのだが、このシステムはかなりの容積を喰うようなのだ。ダブルカッタウェイのレスポールをあれだけ大きくくりぬいて、重さは変わらない。これをアコースティックギターに装着するとなると、表板の振動をかなり殺してしまうんじゃないだろうか。それと、これブリッジプレートはどうなってるんだろう。ストラトキャスターの写真もあるが、これをみるかぎりではシンクロナイズドトレモロは使えないんじゃないだろうか。私がこのチューニングツールの記事を読んだとき、特にストラトにも装着できるという件を読んだとき、アーミングで狂ったチューニングをすぐさまファインチューニングに戻せるのは最高だと思ったのだが、しかしトレモロが使えないのだとすると、これは糠喜びだなあ。
だが、ギターのチューニングを取り巻く環境が変わってきているのは確かだ。以前、Ariaが扱っているストリングマスターDAT-100をみたときにも思ったのだが、こうした面倒ごとの自動化は確実に進んでいる。DAT-100は欲しいとは思わなかった私だが、The Performerには興味をひかれてしまった。きっと手にすることはないと思うが、これらチューニングに関するギミックはちょっとした夢の実現かも知れない。