私はこう言っちゃなんだがチューニングが大の苦手である。特に、チューナーの電子音が苦手だ。軽く半音くらい違っていてもそのまんま気付かないなんてことがままある。それはそれでピッチのずれみたいなのは感じているので、もしかしたら半音違いで合っているのだろうか? どうでもいいや。楽器の中でチューニングがとれていたら、基音がなんだろうと気にしない気にしない。
私は昼休みにもギターを弾けるよう、小振りのギターレディーバードを持って通勤している。できるだけ荷物は少ないほうがいいので、楽器用品としては、電子メトロノームだけをもって、チューニング時の基音を取るのに重宝している。ウクレレ弾いていたときは、カッティングの練習にメトロノームとして正しく使っていたが、今はもっぱら基準音を取るのに使うばかりだ。
さて、私がギターを弾いている場所は屋根付きの駐車場入口で、コンクリートに囲まれているから非常に音響がいいわけだ。響きがあると無理して音を出さなくても自然に鳴ってくれる。これはギターにしても声にしても一緒で、練習場所としては結構いい環境であると思っている。
歌っているとき、本来の自分の声域を考えるとどうしても出なかったような高い音が軽々出ていたのは、その環境のせいだと思っていた。だいたい高いGからAくらいになると、絶叫するように出さないといけない。それが普通に出ていたのだから、やはり音響は大事なのだと思っていた。
高いAが出ていたのは、環境のせいなどではなかった。単純な話で、チューニングが低かったのだ。AじゃなくてG#くらいで合わせてたんじゃないだろうか。場合によればもっと低かったかも知れない。そりゃ出るよ。高い音が出るようになったんじゃなくて、低く移調してたのと同じなんだから、出ないほうがおかしいってもんだ。
実は低くチューニングしていたことには気付いていた。どう考えても低いとは思っていたので、高音のからくりが分かってショックを受けるということもなかった。けれど、改めて自分の音感の悪さに弱ってみせる。いや、電子音が苦手なのだ。本当に苦手なのだ。