howmがなんだかいい感じ

 職場のMeadowを3.00 KIKUにバージョンアップしたという話をしていました。それはDDSKKのインストール手順を確認したかったからなのですが、ネットインストールしたところDDSKKどころかその他パッケージもインストールされていて、自分には必要のないパッケージを読み込まないようにする必要があったという話でした。しかし、そのauto-autoloads.elをリネームするにあたり、一応はどういう機能を持っているかを確認しまして、そうすると便利そうだと思うようなものも出てきて、その筆頭はhowmでありました。howm、これは一人お手軽 Wiki もどき。Emacsで断片的なメモをとるための環境です。

メモをどんどん書いて蓄積する

 私はどちらかというとメモを重視しない性格です。ここはでしたというべきかも知れません。生来、記憶力に長けた私は、メモをとらなくともたいていのことは覚えていられた。だから、スケジュール帳もメモ帳も、ほとんど活用されることなく、今まできて、しかしこのところ、そうもいっていられない状況に陥ってしまいまして、それは、情報量の増加が私の能力をオーバーしてしまったのですね。

 あるいは老化でしょうか。以前なら覚えていられたことが、記憶して後からすらすらと取り出せたようなことが、往々に出てこなくなって、これはまずいと思うようになってきて、そうした危機感が手帳の購入に踏み切らせました。しかし、手帳に記されることは、コンピュータから離れているときの情報で、それは本の、CDの、ゲームの発売日である、あるいはスケジュールである、そうしたものであって、例えば現在書いているプログラムの改変履歴などは残されない。気になっているところ、そうしたものも記録されない。ゆえに、以前していた作業がなんであったか、次になにをしようと思っていたのか、思い出すのに時間がかかり、非効率的でした。

 本当なら、コメントで残すべきなのでしょう。ですが、なぜか私はコメントを残さない傾向があって、それはやはり記憶力のためだったのでしょう。読めばわかるだろうと思っている、そうしたこともあるのでしょう。しかしそれではやっていけない。非効率だ。

 そう思っていた時に、たまたま知ることとなったhowmは、実によさそうな、そんな環境であったのです。

とりあえずなんでも書いておけばいいや

 なにがよかったのか。それは、気楽さでしょう。なんでもいいから、とりあえず思ったことなんでも書いておけばいいや。それはただのメモとして書き散らすでもよし、あるいはリマインダとして、todoとして、それっぽくなんでもいいから書いておく。そうしたデータは、後で検索して、抽出して利用する。だから、一応は用語の統一にだけは注意して、けれどそんなには神経質になる必要はなくて、だって神経質になりすぎたがために、これまでコメントを活用できなかったのですよ。その轍を踏むのは避けたい。ゆえに、ラフに書く、その精神でいくことにしたのですね。

 howmのよいところは、EmacsつまりMeadowで動作するというところでした。私の職場でのメイン環境はMeadowです。Meadowで書きブラウザで確認する。Meadowを起動することから仕事は始まる。扱うファイルのほとんどはMeadow上で作られて、こういう人はだいたい一日中Meadowばっかり操作することになって、だからMeadow上で動作するhowmにも馴染みやすいってことになりましょう。また、直前に作業していたファイル名をメモに自動挿入する機能がついているということも便利。作業する、一段落する、howm menu開く、メモをする、そのメモには作業していたファイル名がリンク付きで挿入されているから、変更点や気付いたことだけ書いて閉じても、それがなにについてのメモだったか後で簡単に手繰れます。気をつかわず、ラフにメモをとれる工夫がされているんです。これは本当に便利だな、そう思わせるものがあったんですね。

Carbon Emacsはメイン環境ではないから

 howmはCarbon Emacsにもインストールされているから、.emacs.elに設定を書いてやるだけで使いはじめることが可能です。実際に使ってみて、悪くない、職場での環境とほぼ同じフィールを得られる。これはとてもいいように思われましたが、ところが自宅での作業はEmacsがメインではないのですよ。BlogのテキストなどはCotEditorで書いています。このサイトはDreamweaver CS3で運用しています。このように、Emacs以外のソフトウェアを使うことが多く、Emacsはというと、Pythonなどプログラムを書く場合に限定されているのです。だから、なんでもMeadowで作業する職場とは違い、howmが身近に存在しない。いきなりhowmを呼び出すのではなく、Emacsをフロントに持ってきてhowmを呼び出して、ちょっとまどろっこしいです。そしてその場合には、直前に作業していたファイルへのリンクなど作られるはずもなく、ええ、howmの利点を得られないのですね。

 だから、多分自宅ではhowmは使われないでしょう。そのようにいうのは、Emacsをメインにする予定が当座ないからで、けれどあの便利なメモ環境の魅力を考えると、ちょっと心は揺らぎますね。

 もし自宅でもばりばりプログラムを書くというのなら、Emacsはより重要度を増すのでしょうが、そうではない状況においては、そこまで魅力的とは思えない。だからやっぱり、自宅ではhowmは使わないんじゃないか、そのように思います。


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公開日:2009.04.14
最終更新日:2009.04.14
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