iTunesが4.5にバージョンアップして、パーティーシャッフルという新機能が搭載されました。パーティーシャッフルというのはなにかといいますと、iTunesに管理されている音楽全部にたいして実行可能なシャッフル再生なのですが、なんだそんなの、普通にどんなソフトででもできるじゃないかと思いがちです。僕も思っていました。
けれど、パーティーシャッフルにはただのシャッフル再生とは違う楽しみがあるのです。いや、あるようなのです。
パーティーシャッフルの画面をちょいと見ていただきましょう。
様々なジャンルの様々な曲が、ずらりと並べられてちょっと壮観です。ちょっとムーディなAquaの後に鳥のカタログが続き、その次はロバート・ジョンソンのブルースが来るなど、普段音楽を聴いているときにはちょっと思いつかない組み合わせが簡単に実現しています。思い掛けない組み合わせが、意外なよさを生み出すこともしばしばで、こういう組み合わせのダイナミズムこそがパーティーシャッフルの魅力でしょう。
と、ここまでは普通のシャッフル再生でも言い得る話です。では、パーティーシャッフルはそうしたシャッフル再生とはどこが違うのか。
シャッフル再生とパーティーシャッフルの最大の違いは、これから再生される曲、再生された曲が一望できるということです。何曲後にあの曲がくるのか、と事前に知ることができる。さっきの曲なんだったっけと振り返ることができる。さらには、ちょっと今はこの曲聴きたくないというものを前もってリストから外すのも、この曲の前にはあれを聴いておきたいというのを追加するとか、リストの変更も自由です。こうした、曲の流れを見つつ、さらにはシャッフルに恣意的な操作も加えられるというのは、ちょっと思わぬ楽しさでした。正直、最初は全曲のシャッフル再生なんてやりたくなかったのに、パーティーシャッフルが搭載されてからはこればっかりです。
さて、ここからは普通のシャッフルとも共通する話です。
シャッフル再生で聴いていると、あれこんな曲あったっけかと思うことがよくあります。で、曲目を確認してみると、好きなアルバムの中に含まれている一曲だったりする。何度も聴いていたはずなんだけど、記憶に残っていなかった、ただ聞き流していただけなんだと落ち込む一瞬だったりします。
好きなアルバムを聴くというのは、そのアルバムの総体が好きであるというよりも、そのアルバム内の数曲が好きということだったりします。特に、聴きたい曲があって、その曲のためだけにアルバムを買ったりした場合にその傾向は強まります。そういうアルバムを聴いているときは、目当ての曲がかかるまでは、目当ての曲を心待ちにして気もそぞろなのかも知れない。目当ての曲を聴ければ、もう全部終わった気になってるのかも知れない。と、そういういい加減な聴き方をしていたことに、自分はショックでした。以前いっていたような、アルバムとしては特に聴きたくないけれど、その中にある一曲だけが名曲みたいな
考えは、間違いであったと知りました。
パーティーシャッフルで聴くようになって、今まで気に留めてなかった曲が、突然クローズアップされる現象が次々起こっています。アルバム丸ごとクローズアップされた場合もありました。そうしてクローズアップされたアルバムを、自室のオーディオ(といってもCDプレーヤーとアンプしかない)で聴くなど、選曲の幅は一気に広がりました。
だから、今度また時間ができたら残りのアルバムも読み込んでいきたいと思うところです。
なお、現在の曲数は1,098曲、4.15GB。全部聴くのに3.1日かかる模様です。手持ちのCDを全部読み込ませたら、10日ではきかない曲数になるでしょう。
パーティーシャッフルをしていると気付くのですが、選ばれる曲に偏りがあるんですよ、なんでか。全部で千曲あって、その中のほんの十数曲に過ぎないアルバムの曲が何度もかかるような気がする。例えば、ロバート・ジョンソンが二曲続いているなど。
人がいうには、iTunesのその日の気分なのだそうです。iPodにもこういうその日の気分があるそうです。面白いけれど、本当のところはなんなんでしょうね。
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