iPodで音楽を聴くようになって、これは確かに便利なことなのですが、若干問題がないではありません。その問題というのは、アルバムという単位でではなくライブラリ全体を聴くというiPodの新しい聴取方法に関係していまして、そう、今までアルバム単位で聴いていたときにはまずあり得ない問題でありました。
問題といっても、そんなに致命的というようなものではないのですが、それはなにかといいますと音量なのですよ。CD、アルバムの音量というのはどれでもだいたい同じくらいのレベルであるわけですが、それでもばらつきがあるというはお気付きの方もいらっしゃるのではないかと思います。やけに小さな音量のがあると思ったら、それとは逆にものすごく大きいのがある。はい、これでもうおわかりになられたのではないかと思いますが、そうなんですよ、音量の差が結構大きくて聴くに厳しい状況があるのです。
私は音楽を聴く際に、それほど音量を上げる口ではなく、というのも耳を痛めたくないからなのですが、それでもちゃんと音楽が聞こえないでは嫌ですから、そこそこは音量を保って聴いています。で、ここに音量が小さい曲がなるのは一向に構わないのですが、その逆、音量の大きなものがくるとかなり耳にきて、うわー、きびしーと思うことにもなるのです。
なんだ、そんなもの音量を小さくしたらいいじゃないかという話なのですが、ですが結構込み合った電車内で、しかも座っていたりして、そんな窮屈な状態でポケットからiPodを取り出してごそごそして、というのはなかなかに簡単ではありません。まわりを気にしなければいいんですが、やっぱり迷惑じゃないかとか思うわけです。なので、最大五分といったところでしょうか、我慢しますね。でも、我慢して聴いているということはあんまり音楽を楽しめていないというわけでもあって、だからなんかおかしいなと思います。
iTunesやiPodにはこうした事態を避けるための機能というのがついていまして、それはサウンドチェックというのですが、曲の再生音量を平均してくれる機能です。じゃあこれを使ったらいい、という話になりそうなのですが、残念ながら私の状況においてはこれはあんまり効果がなく、いや効果はあるのでしょうが、それゆえデメリットになるといったほうがいいでしょうか。ほら、私はクラシックもたくさん入れていますから、このクラシックというジャンルはサウンドチェックに向かないのです。
ロックやポップス、そういった音楽というのは、あまりダイナミクスの幅が大きくありません。だからサウンドチェックを利用して、音量の平均化を図るという発想も出てくるわけです。ですが、クラシックはそうではなくて、弱音はそれこそ弱音で、強音はそれこそ強音で、しっかり演奏されます。この強弱の幅が圧縮されることによって、音楽がぐにゃぐにゃと変に聴こえることもあるんですね。
だから、サウンドチェックは使えない。ちょっとまいったななんて思っています。
今考えているのは、各曲ごとについている音量調整機能を利用して、大きすぎるものの音量を若干落としてやるという方法で、だけど、これって結局は一度聴いてみてからじゃないと有効ではなく、外で聴いたものをうちに帰ってから対処するわけなので、忘れてしまうという怖れもあって。でも、多分私の状況ではこれくらいしか方法はないのではないかと思います。
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