プロキシ――代理サーバというのは、昔ネットワークが今よりずっと遅かったときに、多くの人がアクセスするページのデータをキャッシュしておいて、同じページのリクエストがあったときにそれを提供することでおおもとのサーバの負荷を減らし、データの取得を速くしようというものでした。でも、最近ではポートを開閉して通過できるプロトコルを規制する、ファイアウォールとしての用途が一般的かな。最も、プロキシといえばIPアドレスやリモートホスト名など身元を隠すものと考えてる人も多いでしょう。
でも、今回の話はちょっと違います。ずっと昔に流行った、変換プロキシの紹介です。
変換プロキシというのは、そのプロキシを通ったデータを変換して、例えば文字列を全然違ったものにしてしまうような、本来の用途とはかけはなれた運用のされるプロキシのことです。いや、かけはなれたというのはちょっと言い方が間違ってますね。応用です、応用。
僕が最初に知った変換プロキシというのは、大阪弁変換Proxyサーバというもので、例えばこのプロキシを通すと文章が大阪弁にかわってしまいます。はじめて知ったときは、まじめな文書を公開してるサイトを転々して、次に自分の文章を変換して大いに笑っていました。
例えばこのページを変換してみてください。いかがでしょう? 実によくできています。感動します。
こういったものがすべてプロキシというわけでなく、例えばCGIなんかで提供されているものもあります。例えば猫目埠頭提供のるびフィルタは、漢字にふりがなを打ってくれるという便利な使えるものになっています。これ、Rubyで実現されてるんですよ。同様の機能はキッズGooなんかにもあって大変便利ですが、こちらは内容を適当に評価してフィルタリングしてしまいますから、ページによっては表示してくれないのでちょっと不便です。
さて、方言変換と便利ツールが出たところで、それらと同系統のものをいくつか紹介しましょう。
例えば、熊本弁化プロキシーのページというのがあります。ですが残念ながら目的外利用が目に余ったため現在は公開休止中です。実に残念な話ですが、これら変換はマシンパワーを消費するものであるため、個人レベルで公開してくださっているというのが信じられないくらいの好意です。仕方がないとあきらめながら、再度公開される日を待つことにしましょう。
六文銭[名古屋弁翻訳機]はいうまでもなく名古屋弁に変換してくれます。ただこちらはページを直接変換するのではなく、コピーしたテキストファイルを変換してくれるというもの。いろいろなやり方があります。
名古屋弁翻訳機と同様の手法で実現されているのに博多弁コンバータというのもあって、探せばいろいろな地方のいろいろな言葉に変換してくれるものが沢山見付かります。自分のお国の言葉に変換してくれるものを探してみるのも面白いでしょう。というわけで、京言葉変換も無事発見できました。
便利ツールを紹介するとなると、忘れてはならないのはExcite エキサイト : 翻訳でしょう。英日翻訳もすれば日英翻訳もしてくれます。ただ元になる文章がしっかりしたものなら翻訳もある程度ちゃんとしたものになるのですが、口語だとか、スラングが沢山入ってるようなものだと、ちょっと訳の分からない翻訳が出来上がってしまいますので、ここはやはり参考に留め、重要な情報とあらば英語も合わせて読もうという気概が必要なのじゃないかと、いつも思います。
そして、AltaVista's Babel Fish Translation Service。このサイトは日英英日にとどまらず、英仏仏英だとか英独独英だとか、英語を軸にした多くの言語への翻訳を実現します。独仏仏独もあるので、必要度に応じてサービスが展開されているのでしょう。馴染みのない言語の粗読みなんかには、本当に役に立つサービスです。
最後に面白い変換サイトも紹介しておきましょう。
Okasannizer - 「お母さん」フィルターというのはページが幼児語になるという実にクールなサービスです。しかし白眉は同じサイトで公開されているDenpa - 電波ニュース。このサービスを使って自分のサイトを見た時に、僕は自分に足りないものがなにか察しました。自分に足りないのは電波だ。なんと、電波ニュース化された文章の方が、オリジナルよりもずっと面白かったのです。
このように、自分に足りないものまで教えてくれる変換プロキシ/フィルタ群。たまにはこういうので刺激をうけるのもいいものですよ。
変換例への直接のリンクは各プロキシ/フィルタサービスに負荷をかけるおそれがあるため、それをしませんでした。