今までいろいろなブックを作ってはきたが、そのどれもが基本的に防御を前提としたものであった。つまり、序盤で自分の得意とする属性の土地を確保し、それを拠点として最後まで守り抜こうという、考え方としては非常にオーソドックスなものだ。
カードの構成は防戦を主眼とすることから、武器よりも防具、攻めのクリーチャーよりもより防衛向きのクリーチャーが中心となる。終盤には、手札にペトリフストーンやグレムリンアムル、カウンターアムルなどの防御アイテムと、敵拠点に止まってしまったときのための攻めのカードをキープしたまま、敵拠点をいかに回避するかだけの勝負となる。
けれどそればかりでは芸が無いので、初期ブックでクリアしたことをきっかけに、攻めに特化されたブックを構築しようと考えた。初期ブックチャレンジではグレムリンにスクロールを持たせてのコンボに非常に助けられて、終盤での大逆転をも可能とする攻めのブックの面白さに気付かされたのだ。
以上のことがきっかけだからして、ブックの基本となるクリーチャーはグレムリンに決定した。これにフュージョンを持たせて侵略の要とする。また、フュージョンだけではコスト面で苦しくなるだろうということで、一枚をヘルブレイズに替え、フュージョン二枚、ヘルブレイズ一枚を入れることとしたい。
しかし、グレムリンは先制能力を持つクリーチャーに圧倒的に弱い。先制アイテムを持たせたところで、高レベル土地に立てこもっている先制クリーチャーを落とすことは出来ない。とのことから、先制クリーチャー及びHPが50を上回るクリーチャー対策として、スクロール強打と先制を合わせ持つクリーチャー、ニンジャを起用。あわせて、反射能力を持つデコイも追加することとした。
さらに、スクロールを無効とするクリーチャー及び高レベル土地に立てこもるグレムリン対策として、ナイトメアを登用。グレムリンつぶしにグレムリンアムルを、そして攻撃力増強の意味からクレイモアを追加することとする。
だがナイトメアでは地属性を攻めることが出来ない。一般のクリーチャー相手ならグレムリンにスクロールを持たせればなんとでもなるが、スクロール無効化能力を持つ地属性クリーチャー、サンドマン相手ではこうもいかない。とのことから、ミスティエッグを投入。ミスティエッグは与えたアイテムにより変身する能力を持ち、グレムリンアムルを与えるとナイトメアに変化する。ミスティエッグ自体は無属性クリーチャーであるため配置属性を選ばない。
だが、ミスティエッグではデスゲイズは倒せない。しかし、デスゲイズはめったに見ることもないだろうと信じて、あえてこれを無視したい。いざとなれば忍者にクレイモアでも持たせよう。
必殺のコンボも備えておきたい。デコイがいることでもあるので絶叫で敵もろとも絶命するライフジェムを追加。次いで、STが40以上の人、動物、龍属クリーチャーを即死させるライオンメインを加え、防御クリーチャーである弱点を補うためソン=ギョウジャを加えた。
防御型クリーチャー対策としてルナティックヘアも入れておこう。すべてのクリーチャーに有効というわけではないが、アイスウォール等のSTが0のクリーチャーには有効だ。しかし、なぜこうも兎にこだわるのだろう。
また、クレイモアがあるということで、二回攻撃のプッシュプルも入れてみる。クレイモアを持たせて100ダメージを叩きだす。条件さえそろえば、かなり使えるのではないだろうか。
基本となる戦略は攻めて取る。このため、防御に用いるアイテム、スペルは不要とした。つまり取った土地を守らない。すべて金に換えて侵略の元本としたい。相手がイビルブラスト、メテオ、アンサモンを引くより前にランドトランスで換金する。極端だが、これもまたよし。むしろ迷いがないぶん、戦略で迷いにくいだろう。
後は必要なカードを早く引くための策としてのリンカネーションとホープ。よほどのことがないかぎりリンカネーションではなくホープを使っていきたい。重要カードを使いきってしまったときのための保険としてリバイバルも入れておく。
攻めの補助として、攻撃スペルではなくテレキネシスを加える。敵を引き込んでの始末から、クリーチャー移動とからめての連続の攻めなど、いろいろ使えるかも知れない。
後は収入源としてのマナ、ドレインマジック。足を稼ぐためのホーリーワード6、X、ヘイスト。パーミッションとリコールも入れておこう。
以上のように、取って換金という基本コンセプトが決定し、そのためのカードも決まった。戦い方のスタイルとしては、ノンクリーチャーブックのスペルを侵略クリーチャーに換えたものといえるのではないだろうか。
ブック名は、とにかく敵を倒してなんぼということから、「殺戮」とする。しかし、相変わらずひねりもなんもない命名だ。
このブックの運用テストとさらなるチューンは以降におくる。
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