転送円につながれた短周回を回る「転送×転送!」は、厄介なマップである。砦をまわり帰城するだけのことがうまくいかない。そんなマップを攻略せんと構築したのが以下のブック、「ねことわたし」である。
クリーチャー七枚、スペル四十三枚という異常な片寄りを見せる、「ねことわたし」。まさに、転送円を効果的に使うという、そのことしか考えていないことは明らかだ。過半どころかほとんどをスペルが占めるため、ライフフォースには脆弱。課題の多いブックではある。
適切に転送円に飛び込めるよう、ホーリーワードを中心に移動系スペルを充実させてある。特に、ホーリーワードXを多めに入れてあるのは、北の周回においての移動効率を考えてである。ほかにも周回効率を上げるため、パーミッションやリコールも入れてある。
移動関係以外に入れたスペルは、資金調達用のマナ、ブック回転用のリンカネーションとホープ、そして防御用にシャッターとライフフォースである。なにぶんアイテムを入れていないため、シャッターがないと土地を守りきれない。
クリーチャーには、必携ともいえるスペル、ランドプロテクトが手札を圧迫することを嫌い、スペル対象にならないものを選別した。はじめに白羽の矢が立ったのはケットシーだったが、その後の改定でサンドマンに変更。その理由は、スクロールとナイトメア対策だ。
ただサンドマンは、ケットシーよりも能力的に優れるため、配置条件が少々厳しいという欠点を持つ。地属性土地をとにかく一つ押さえないことには、呼び出すことさえ出来ない。そのため、土地獲得要員としてリトルグレイとルナティックヘアを抜擢した。
数ある無属性クリーチャーのなかから彼らが選ばれたのには理由がある。50%の確率で誘拐を発動させるリトルグレイは、アイテムを持たないこのブックでは重要な敵排除クリーチャーとなってくれるだろうし、ルナティックヘアは、デコイやアンシーン、オルメクヘッドといった、ST0のクリーチャーを潰すのにうってつけだ。
なお、このブックが猫とはなんの関係もないのに「ねことわたし」という命名がされているのは、もともとケットシーメインで考えられたという名残である。できれば、遠くから見守っていてくれるとありがたい。
ブック研究 「カルドセプト」運命の殿堂 カード無頼一代に戻る