「転送×転送!」での勝負を見越し、移動に関するスペルカードを考察してきた。今回は、それ以外のスペルカードから魔力に関わるものをピックアップ、考察していきたい。
ロカやタリオのような一本道マップではそれほどの効力を発揮しないが、砦を通らずに帰城できるマップや、そもそも砦を回ることが簡単ではないマップにおいて役立つカードがパーミッションだ。その威力はこの「転送×転送!」でも同様、充分役立ってくれることだろう。
「転送×転送!」は、パーミッションが有用となる条件を充分に備えている。第一に、砦をすべて回ることなく帰城できること。第二に、砦を回ることがそもそも困難であること。最後に、移動に関するスペルカードを多く要求するデザインであること。
この三つである。
とにかくこのマップに挑戦しようというセプターは、ホーリーワード等移動をつかさどるカードを多く手札に入れてくるだろうことは明らかであり、さらにパーミッションともっとも相性の良いだろうカード、リコールを入れるセプターも多いと思われる。
リコールがあって、パーミッションを入れないというのはもったいない話だ。
パーミッションが重要となる局面は多くなると予想される。砦が一つしかない東西の周回に踏み込んでしまったとき。北の周回に入った時点でホーリーワード2を持っていた場合など。こういう場合はより確実な方法で南の周回に戻り、その後にパーミッションを使ったほうが効率的にも戦略的にも、確実といえるだろう。
もっともパーミッションが効力を発揮するのは、帰城直後の手札にパーミッションとリコールが含まれている場合だ。一ターン目でパーミッションを使い次ターンにリコールで帰城する。さらに次のターンでアポーツを使えば、対戦セプターに効果的に嫌がらせをすることができる。
周回を多く重ねることが基本となるこのゲーム。その基本に準じるのも簡単ではないこのマップにおいて、パーミッションはもはや必須といえるだろう。
「転送×転送!」は魔力不足が心配されるマップである。初期魔力、基本ボーナスともに300Gと低く、転送円に迷えば魔力の供給が途絶えかねないためである。カルドセプトの目的が魔力を蓄えるというものである以上、これは由々しき事態である。
このような場合に力となってくれるのが、マナやバランスといった魔力を供給してくれるカードである。魔力が増えるということは勝利に近づくことに直結し、またカード運用の幅を広げるというこのゲームの性質上、マナは何枚手札に出てきても困らない。
マナはショップでも買うことができるので、うまくすれば重要な副収入として活用できる。
ブックに入れたものとショップで購入したマナだけでは足りないという場合は、バランスも入れてみよう。しかし、自分だけではなく敵に塩を送ることにもなるので、状況によってはかなり自分の首を絞めることにもなるので注意が必要だ。
ドレインマジックとジャッジメントのコンセプトは、上記のマナ、バランスとは逆の考えに基づいている。敵セプターから魔力を奪い、カード運用の自由度を奪う。さらに、聖堂のないこのマップではそれ以上の可能性を秘めている。
マップの性質上、スペルカード過多になることが予想される「転送×転送!」。そのスペル中心の攻防を睨み、ノークリーチャーブックを用意するものがいないとも限らない。さらに、三十ラウンド制限のある大会ルールが、テンペストやカタストロフィを使っての大量殺戮ブックを携えるセプターを呼ぶことも予想されることだろう。
テンペストにせよカタストロフィにせよ、かなりの高コストカードであり、土地を守る敵クリーチャーを駆逐することがその目的となることから、クリーチャーの配置、土地のレベルアップに対して消極的とならざるを得ない。このような戦略のもと、魔力を護符に換えることが出来ないこのマップでは、魔力のほとんどを手持ち魔力として温存することとなり、すなわち格好のドレインマジックの餌食になるということだ。
ドレインマジック一発で、想像以上の打撃と収入が期待できる。よもや、このマップの条件でノークリーチャーブックを作ってくるものはいないと思われるが、少なくともテンペストの連続使用を阻む可能性のあるドレインマジックは、保険としていれておいてもいいかも知れない。
上のような条件下においてなら、ジャッジメントは恐ろしい決戦カードとなりうる。それこそ持ち魔力の八割が消失するジャッジメント。炸裂すればテンペストを撃つどころの騒ぎではなくなることは必定。テンペストブック使用セプターがいなくとも、小金を手元にためさせないための抑止力にはなりうるだろう。
ただ三十ターン制限のもとでは、ジャッジメントはリスクが多すぎるかも知れない。
このマップには、おそらく多くのセプターが止まるだろう土地が確実に存在する。それは、転送円の出口である。
転送円で飛ばされたその翌ターンにマインを仕掛け、次にその転送円にやってきたセプターを餌食にする。タイムボムでも、同様の手口で罠を仕掛けることができる。
この罠は実に効果的かつ巧妙である。なにしろ、いつ敵が止まるかわからない土地にではなく、むしろ皆が止まるようにと努力する土地に仕掛けるわけであり、転送先にマインがあるだけで敵セプターの調子を崩すことができる。
だが、この罠には大きな弱点がある。というのは、自分もその転送円を利用しなければならないため、他セプターと同様自分も罠にかかること、さらにはマインがあることによって調子を乱されることだろう。
誰もがストーリーゲームで、自分の仕掛けたマインにかかる間抜けなゼネスを見たことがあるはずだ。
あまりにも狡猾で効果的すぎるものの、自分もその対象になってしまうために危なくて使えないのが、このマインとタイムボムである。場を荒らすのを目的にブックに入れるのも一興だが、勝ちを狙うのなら入れないほうが無難だろう。