カルドセプトの目的が魔力であるならば、その目的を達成するための手段はカードである。いうならば、手段であるカードを支配することが、目的達成への重要な一歩であるといえよう。
今回は、カードに働きかけそれを左右するカードをピックアップ、その是非を考えていきたい。
「転送×転送!」では、ホーリーワードを中心としたスペル重視ブックが活躍するだろうことは、既に述べてきたことである。しかし、ブックに組み込めるカードは最大で四枚までという制限がある以上、有効なカードを常に引き続けることは不可能だ。しかし、ブックの回転を速めることが出来れば、その不可能を可能に近づけることもできるかも知れない。そして、そのためのカードが、リンカネーション、ホープという、カードを引くためのカードである。これらは重要なカードがでてくれないとき、あるいは重要なカードを使いきってしまったときなどにも有効であり、その能力の違いから局面によっての使い分けが必要となってくる。
単純にブックの回転を速め、欲しいカードを早急に引きたいというときにはリンカネーションが役に立つ。手札すべてを捨て新たに六枚を引くため、手元に有効なカードがあるときには使いにくいが、当座使うめどのないカードがそろったときには、迷わずリンカネーションを使用する。手元に有力なカードがあり、それを捨てずに別のカードを引きたいというときなどはホープを使うなどして、新たに有力なカードを引く可能性を高めていき、ブックの回転を促しカード運用の効率を上げる。
ある特定のカードに頼ることが多くなりそうな「転送×転送!」では、ブックの回転を速め、カードの引きを強化することが肝要だ。しかし、有力カードをすべて使い切ったときには、リンカネーションやホープよりも、リバイバルでブックを初期状態に戻してしまったほうが手っ取り早い。
このマップに限らずどんな場合においてもいえることだが、常に自分の戦略の基幹となるカードを手元に引ける可能性を保つことが重要で、これら三枚のカードはその可能性を追求するのに非常に有効となる。ものすごい勢いで回転し、次々と手札に飛び込んでくる有力カード。その爽快さは想像を上回るものがある。
敵が引いた有力カードを破壊し、場を自分の有利に傾けるためには、カード破壊スペル。シャッター、スクイーズが有効となってくる。
クリーチャーを配置したものの、攻め込まれたときにそれを守りきれる自信がないと言った場合などには、シャッターで敵のアイテムカードを破壊し、あるいはスクイーズでクリーチャーを握りつぶしてしまうとよい。一般的にはスクロール、武器アイテム、特殊アイテムを破壊するのが常道だろう。
「転送×転送!」では、リンカネーションを軸とした高速回転ブックを使用するつもりでいるため、手札にグレムリンアムルや防御アイテムを持ち続けることが難しい。そのため、潔く防御アイテムをあきらめ、シャッターを用いてスクロールを排除、もしナイトメアがいるならスクイーズで排除するという対処をすることに決めた。
このマップでは、シャッターの対象はリコール、パーミッションなどのあれば便利なカードを破壊するのがいいだろう。とにかく、敵の戦略の中心を担うと思われるカードを積極的に排除するのが、もっとも効果的だ。
チェンジリングは対象セプターのブックから、ランダムで三枚をゴブリンに変えるという、ともすれば戦略を根本から台無しにしてしまう可能性を秘めている。どのカードがゴブリン化しているかは事前にわからない。戦略の中心となるカード、コンボを構成する一枚が失われているのではないかという不安を与えることで、心理面での優位を得ることも可能だ。
あこぎなこのカード、対処法はあるのでもし自分が餌食になったとしても焦ることはない。リバイバルを使ってブックの初期化をすると、ゴブリン化されたカードも元に戻るからだ。リバイバルがゴブリン化されないことは確認されているため、安心して引いたゴブリンも配置、活用するくらいの気概で立ち向かおう。
防御アイテムを持たない戦略のもとでは、敵の引くクリーチャーが気にならないわけがない。しかし、そんなときにサイレンスでクリーチャー召喚を阻止すればいいと考えるのは早計だ。
セプターに付く状態変化、クリーチャーに付く状態変化を解く方法はいくつかある。一番正統的なのはディスペル、リムーブカースを使うことだが、別の状態変化を付加することによって上書き消去してしまうという方法もある。
このマップのもとでの戦いは、ホーリーワード戦になることが予想される。すると、困ったことにこのホーリーワードが状態変化を上書きしてしまう。このため、せっかくサイレンスをかけたとしてもホーリーワードを使った時点でスペルの効果は消されてしまい、結局は手損、無駄ということになってしまう。
よって、残念ながらサイレンスは不可。シャッターやスクイーズでちまちまカードを破壊していくしかなさそうだ。