護符のないこのマップでは、蓄財と資産運用のために土地活用が必要になる。そのためには、配置しやすくかつ守りやすい(あるいは攻められにくい)クリーチャーを選別しなければならない。クリーチャーに関しては後に譲るとして、今回は攻めにくいクリーチャーを排除するスペル、またはより攻めにくい拠点を作るためのスペルについて考えたい。
なお、定番のアンサモンは対土地編で紹介することとする。
初期ブックからはいっているマジックボルトは、土地を守るクリーチャーを手軽に排除できるスペルの代表格だ。しかし、大会ルールの30ターン制限下では先行逃げ切りのコンセプトが多勢をしめると予測でき、おおよそマジックボルト一発で消せるクリーチャーがのこのこ出てくるとは考えにくい。
となると、より与ダメージの大きいイビルブラストが有効になる、かといえばさにあらず。ここでもおそらく、力不足の体を見せることが予想される。
おそらく、大会予選での人気クリーチャーは、守りやすく攻められにくいクリーチャーの典型、逃げ切り定番のミルメコレオになるかと思われる。HP40を数えるこのクリーチャーを排除するために、二手と100G費やすのならば、素直にアンサモン一発でかたをつけたほうが賢いかも知れない。
もし、カルドセプト公式サイトの攻略記事でのおすすめどおり、ホーンカメレオンが人気クリーチャーとなるのなら、イビルブラストも充分活躍できる。しかし、おそらくもっと厄介なクリーチャーが投入されるだろうと思われるため、イビルブラストを入れるならアンサモン、だろう。
アンサモンよりも低コストで土地に巣くうクリーチャーを排除できるテレキネシスは、自分のクリーチャーを移動させることもでき、また対戦セプター同士のクリーチャーを戦わせ、消耗させられることから、使いようによっては非常に有用になってくる。
しかし、各周回が十二マスと狭く、またそのほとんどが転送円などの特殊地形に占められる「転送×転送!」では、その効力は発揮しにくい。ただ、三十ターンを終えた時点での総魔力で競うというルールであるため、条件さえそろえば一挙に敵拠点をひっくり返す可能性を秘めていることは、この手の他カードと同様である。
なお、チャリオットは自分のクリーチャーにしか効力がないので注意。このマップではむしろ不要だろう。
クリーチャーのHPを強化し、守りを固めるスペルの定番。拠点と決めた土地を守るクリーチャーにかけ、敵の攻撃に充分耐えうるだけの備えを固めることができるので、デコイなどHPの低いクリーチャーや、特に足止めクリーチャーを使用するときには有効になるスペルだ。
ランドプロテクトで防御できるなら、テンペスト二発に耐えうるだけのHPを確保できれば、かなり信頼できる拠点ができあがるだろう。
だが、三十ターンという短期決戦が求められるルールでは、悠長にクリーチャーを育てている余裕がないだろうので、別の守りを考えたほうがいいかも知れない。
三十ターンを終えた時点での総魔力で競われる大会ルールのもとでは、終了間際にテンペスト等の全体攻撃スペルを連続で決め、土地を守るクリーチャーを根絶やしにする作戦も有効である。実際、前回大会でもテンペスト根絶やしブックの猛威が報告されており、今回においてもその出現は充分予想される。
テンペスト等の対象を指定しないスペルは、ランドプロテクトで守られているクリーチャーにも効力を発するため、ランドプロテクトを使って堅く防御してくるだろう状況下でもなんら問題なく使用できる。
これに対抗するにはファンタズムしかないが、ファンタズムではアンサモン等の、対象指定スペルから守ることが出来ない。よって、ここは非常にオーソドックスながらも、事前にシャッターで破壊、テンペストを撃たれたらライフストリームで回復、ドレインマジック等で魔力を削る、ライフフォースでスペル使用を阻止する、等の対応策を考えておきたい。もしこれらの対応策を講じきれなかったときには、周回回復を狙うしかない。
テンペスト使いにとって、単一エリアであるこのマップは非常に勝手がいい。コスト200Gのテンペストを連発するのではなく、テンペストの一撃の後に撃つスペルをコスト80Gのスウォームに代えることができる。そのため、テンペスト使いの魔力を削って動きを封じるという策は、むしろ使いにくくなっている。
そうなるとシャッター等でカードをこまめに破壊し、ライフフォースで封じるというのが最善策となるが、セプターによってはテンペストを見せカードとしてちらつかせ、真の意図を隠すという情報戦にでるものも少なくない。こうなると、テンペストにシャッターと手数を費やすのは、まさに相手の思うつぼであり、こちらが見せカードに気を取られることによって、真の意図、戦略を秘めたカードを残してしまうことになってしまう。
疑えばきりがないのもカルドセプトというゲームだが、出来うるならば冷静な判断力を最後の決着の瞬間まで維持し続け、対戦相手の真意を見抜けるよう努めたいと、自らを振り返りたい。