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転送×転送! 戦略対土地編

 ノークリーチャーブックを選択しない以上、土地の奪いあいはどうしてもついて回る。だが、奪うのならともかく奪われるのは避けたい、ということで今回は土地の攻防に関するスペルを取り上げた。ただ、土地は土地を守るクリーチャーと密接に関わるため、前回の対クリーチャースペルとどう違うのかといわれると、非常に微妙なところがある。

むしろコスト高のアップヒーバル、ウェザリング、シンク、ワイルドグロース

 土地活用の第一歩は、同一属性の土地を多く押さえ連鎖を作ることだ。しかし、望む属性の土地をいつも押さえられるとは限らないため、そういう場合は地形変化をしなければならない。

 これらのスペルは、費用のかかる地形変化を安価に実現する。特にブックを一色ないしは二色に染めているセプターにとっては、実に使い道のあるスペルだといえるだろう。特筆すべき点は、土地レベルが上るほど費用のかさむ地形変化に対して、これら地形変化スペルは同一のコストで済むこと、そして他人の土地でも変化可能ということだ。

 他人の土地に使えるということは、戦略的に重要な意味を持っている。というのも、土地に巣くうクリーチャーの属性と土地の属性を、力技で違えてしまうことができるからだ。同様のことならば、アンチエレメントでも実現できるが、その土地を攻め落として我が物としたいときなどには、土地を守るクリーチャーの弱体化と、土地奪取後の自クリーチャーとの属性合わせを一度にできるのは、大変便利だ。

 しかし、無属性土地の多い「転送×転送!」では、下手をするとだぶつくスペルになるかも知れない。どうせ敵の土地もランドプロテクトで守られているだろうし、よしんばリムーブカースでこじ開けて、使うのならばアンサモンだろう。

 とのことで、よほど戦略に関わってこない以上、これは不要といえるだろう。

土地を換金するということは――ランドトランス

 普通、よっぽどのコンセプトがないかぎりランドトランスなんて使われない。そんなスペルを、よりによってこのマップで使おうということは、考えられることは一つではないだろうか。

 土地がもう必要でないこと、そしてまとまった魔力が必要ということは、それはテンペストを撃つ前触れかもしれない。

 護符がなく、構造上バリアーに頼れないこのマップにおいて、殲滅ブックは相性が悪いと今までいってきた。だが、その問題を解消する術もないではないのだ。

 その方法とは、土地を育てることである。持てる魔力を土地に投入し、ドレインマジックの脅威から自らをかわすのだ。時が来るのを待ち、その時が来たら自分の土地をランドトランスで換金。おもむろにテンペストを撃ちはじめる。

 大会予選のルールでは、魔力が多い必要はない。他のセプターの魔力を、自分以上に減らしてやれればそれで勝てるのだ。そんな場合にはテンペスト。そのサポート用スペルとしてランドトランスが使えないだろうか。

虎の子の土地を攻撃するアンサモン、メテオ

 もうこの二つ、特にアンサモンに関しては説明はいらないと思う。それくらい定番のスペルだ。アンサモンはあまりに凶悪なので、独自ルールのもとに禁止しているところもあるという。

 けれど、アンサモンはテンペスト乱れ打ちに比べるとずっとおとなしいスペルで、ランドプロテクトで守られていれば手も足も出ない。テンペストを、サターン版で猛威を振るったノークリーチャーブックを阻止する目的で出来たライフフォースは、もちろんアンサモンにも有効。つまり、アンサモンはテンペスト以上のスペルではない。

 「転送×転送!」は、ホーリーワード等の移動関係スペルが大活躍するだろうと思われる。ということは、敵地に踏み込む機会も減れば、踏み込まれる機会も減るだろう。逆に言えば、あえて踏み込んでくる敵は確信的にその土地を狙っているのだ。

 だが、戦闘は計算ずくで進むとはいえ番狂わせも起こりうる。その番狂わせを極力減らすには、戦闘に固執するより、アンサモンでクリーチャーを排除した元敵地に、さっさと自分のクリーチャーを配置しにいくことだろう。

 「転送×転送!」では、守り重視のブックが主流になるだろう。となると、無理にクリーチャーを倒すことよりも、アンサモンでどいてもらったほうがずっとスマートに事が運ぶ。

 なお、メテオともなるとアンサモンとは随分趣が変わってくる。というのも、一発で敵地をレベル1にまでたたき落とすことができるためだ。土地への投資は、今までの堅実な貯蓄の結果で、現在の大きな資産でもあるのだ。それを、一気に灰じんに帰してしまうメテオ。レベル5の拠点なんぞに炸裂させた日には、意気消沈させること請け合いだ。

 とはいえども、壊滅的にレベルを下げてしまうのが身上なので、駆け引きとしてはアンサモン以上の面白さを持たない。アンサモン以上にコスト高でもあるので、あまりお勧めできない。

守りを固める基本のランドプロテクト、リムーブカース

 アンサモンを筆頭とする土地攻略スペルの前にクリーチャーはあまりにももろい。そのため、拠点防衛にはランドプロテクトはかかせない。そのため、一般的にセプターは自分のブックにランドプロテクトを一二枚は忍び込ませている。その効用については、あまりにも知れ渡っているため、あえてここでいうこともないだろう。ただいえることは、必須だということだ。

 ランドプロテクトを解除する方法もいろいろあるが、一番手っ取り早くかつ簡単なのは、リムーブカースだ。マップの狭い「転送×転送!」では、クリーチャー移動を使って状態変化をもたらすクリーチャーを送り込むという技が使いにくく、大会ルール下ではまたその暇もないだろう。それだけにリムーブカースの存在感は増している。

 上記のアンサモンにしろ、前回紹介した対クリーチャースペルにせよ、ランドプロテクトをこじ開けてはじめて意味のあるスペルだ。これらを駆使するのなら、必然的にリムーブカースを入れることになるだろう。


転送×転送! 戦略対セプター編

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公開日:2001.01.11
最終更新日:2001.09.02
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