カルドセプト エキスパンション プラス

転送×転送! 戦略対セプター編

 「転送×転送!」に対する戦略を練る最初の試みとして、スペルについての考察を続けてきた。欠かせないだろうものから、まったく使えないものまで、いろいろ考えてきたが、最後となる今回はまさにもっとも使えるがゆえに危険なスペル、ライフフォースを含む、セプターを対象とするものを取り上げる。

 ライフフォースは明らかに、サターン版で猛威を振るったノークリーチャーブック対策として登場したスペルであり、周回の効率を上げるためにホーリーワードなどのスペルに頼らざるをえないこのマップには最高の相性。まさに戦略を一撃で破壊、手も足も出ない最悪の状況を作りだす。

 我が身をライフフォースから防御しようにも、バリアーは使えず、まさに最強の妨害スペルに君臨するのがライフフォースだ。それだけに、出来れば使わずにすましたいスペルの筆頭だろう。

このマップでは使い物にならないバリアー

 「転送×転送!」では、バリアーは使い物にならない。というのも、バリアーはホーリーワードとの相性が最悪だからだ。バリアーを使うとスペルの対象とならないため、つまりはホーリーワードを自分にかけることが出来なくなるのだ。他の一本道マップではともかく、このマップでこの状態は非常に辛い。まさに、自爆といえるだろう。

買い物を阻止するためのバーブル

 買い物を阻止したからといってなんの役にも立たないところが痛い。とはいえ、マナあるいはリコールの入手を阻むため、多少の打撃は与えることも可能だろう。しかし、ホーリーワードを使うことによってバーブルの効果は上書きされ、消されてしまう。やはり、役立たずのスペル。

敵のカードをむだ遣いさせるためのハウント

 実際、ハウントがどれくらい役立ってくれるかはその時にならないとわからない。コンピュータが三ターンの間に、どれだけ大暴れしてくれるかが成否を分けるのだ。大切に温存していたカードをあっさり捨てられ、いざというときのために手元に置いておきたかったカードを考えなしに使ってくれる。それらが傍若無人であればあるほど、このスペルを使ってよかったと思える。

 だが、コンピュータもたまには役立つことがあり、うまくダイスを振って拠点を回避してくれたり、いい感じにクリーチャーを配置してくれたりも、ごくたまにだがないわけでもないのだ。

 ライフフォースほどの破壊力もなければ、確実な効果が期待できるわけでもない。しかし、ライフフォースが乱れ飛ぶ最悪の戦場にならないことだけは保証できる、と思う。

最終決戦兵器、ライフフォース

 「転送×転送!」対策のブックを考えるにあたり、スペルからはじめたのは、このマップでの戦いが、ホーリーワードに代表される移動関係スペルによって支配されるだろうという予測からだ。この、普段以上にスペル偏重となりかねない戦場において、もっとも頼りになる防御策にして最高度の攻撃性を持つカードとは、ライフフォースにほかならない。

 ライフフォースは一発で場を荒らし、対象となったものの自由を奪う。ただ前へ進めば砦を通り城に帰り着けるというわけではないこのマップでは、ダイスの運の元に転送円に翻弄され、帰城、すなわち周回ボーナスを得ることもままならなくなる。それほどに、ライフフォースは戦略破壊性において勝っている。

 ライフフォースの怖いところは、その効果の持続が理不尽なほどに長いことだ。城に帰らなければ解けることのないこのスペルは、敵の帰城を阻止し続けることさえ可能ならば、永久に解けることはない。そして、リコールやアポーツを駆使することにより、永久の呪いは完成する。

 ライフフォースで勝つつもりならば、戦端が開かれた直後に少なくとも三枚のライフフォースを引けるだけの強運と、リコールとアポーツの補充が絶えないことが必要だ。なぜなら、敵は、帰城しライフフォースの効果から解き放たれるやいなや、君を運命の敵として、勝敗に関わらず熾烈な攻撃を開始するに違いないからだ。ライフフォースを撃てば最後、後戻りは出来ない。ライフフォースを勝負への鍵と決めたその時、血塗られた道を通ることが運命づけられるのだ。

 敵が帰城する前にリコールをかけ、自分がリコールで帰城したその次ターンには、必ずアポーツで全員を召喚する。もしライフフォースの呪いから抜け出るものが出たとしても、彼奴のターンが始まる前にライフフォースを駄目押し。とにかく、いかに敵をライフフォースの影響下にとどめ続けるかだけに腐心すればいい。

 もし電撃作戦が成功し、最初の周回を終える前に全員がライフフォースの呪いに侵されたなら、君の勝利は確定したも同然だ。君は敵を城に寄せ付けさえしなければ、クリーチャーの配置もなしにやすやすと勝てるだろう。

 周回ボーナスも、リコールやアポーツなど、敵の帰城妨害スペルの運用分と、勝利のためのわずかだけを賄えればそれで充分だ。敵は、初期魔力以上を手にすることなく、三十ターンの間さまようのみなのだ。

 ライフフォースを退けるには、敵より先にライフフォースを撃つしかない。しかし、撃ったが最後、彼奴のライフフォースの最初の標的は自分と決まったも同然だ。

 撃ったが最後、不毛な戦いが始まる。しかし、撃たねばやられるのは自分なのだ。

 かくのごとくして、ライフフォースは抑止力とはなりえない。


転送×転送! 予選スペル雑観の一

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公開日:2001.01.12
最終更新日:2001.09.02
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