ひとつきめのおわり

 最初の一月は、ゲームの操作であるとかに慣れようという、いわばチュートリアルの月にあてようと思います。なにしろ、なにをどうすればいいのかというのさえ分からないのですから。予備知識としては、守護聖と呼ばれる男衆を籠絡して奉仕させ、あわよくば搦め捕っちゃうという、実に偏見に満ちたものがあるだけです。いや、こんな知識ならなかったほうがましかも知れないな……。

イニシエーションを通過する

 アンジェリーク最初のイニシエーションともいえる、守護聖様自己紹介パレード。端的に申しますと、無事通過することができました。というか、最初に出てくる二人、ジュリアス様とクラヴィス様の王道的豪華絢爛さにくらくらして、嗚呼こりゃクラヴィス様以外にはありえないなと心に誓いました。まさに、最初に好きになったのは声でありますよ(合掌)。

 イニシエーションの最中、気になったことを列挙してみましょう。まずリュミエール様。名前と属性がマッチしてなくて違和感ありまくりです。だって、リュミエールってフランス語でまんま「光」ですから。これはさすがに慣れません、いつまでたっても慣れません。次いでマルセル様。実をいいますと、(別の漫画のネタで)マルセル様だけは存じ上げていたのでした。でもまさかあんなになよなよとされた弱々しくいたいけな方だなんて思いも寄らず、ちょっとショック。なんて評価していいものやら、保留ですわ。

 第一印象一位がクラヴィス様なら、最下位はルヴァ様でしょう。あまりにもっさりとして歯切れの悪いしゃべり方を聞いて、駄目だこりゃ次いってみようと思ったのは内緒です。ちょっと、もうちょっとしゃっきりしようよと申し上げたいくらいです。

 ちなみに第一印象二位はオリヴィエ様でした。ちょっと倒錯気味の人が好きなようです。駄目ですね、でもいい感じです。

 後の方々は、驚くほど記憶に残っておりません。強いていえば、ゼフェル様ったらJリーガーとか目指してそう、といったところでありましょうか。

ルールの整理

 はじめてのことばかりなので、とりあえずチュートリアルは全部きっちり聞いてみようじゃありませんか。ひとつきめから飛ばしていくつもりでしてよ(でないと後半持たないかも知れないし)。

 このゲームの基本は、手持ちのハートマークを消費しながら国を育てるものと心得ました。ハートを守護聖様に提供する代わりに土地に投資をお願いする。一月ごとに土地の資産評価があって、勝者は元手の余裕が増えるといったところでしょうか。余裕があれば、相手の投資家に働き掛けて、引き上げさせることもできるとのこと。でも同じ妨害するなら、自分の手下をおとりにしてわらわら集めた敵のしもべに、いかづちを落としてみたり、洪水にしてみたり、地震で一網打尽にしてみたりという直接的なものの方が――、良くないですね。それだと別のゲームになってしまいます。

ひとつきめは真面目に育成

 ひとつきめは、実に真面目に育成ですよ。神官少年の求めに従い、炎の力が欲しいといわれれば炎の、風がといわれれば風の力を送る。ところが真面目にやってるのは自分だけみたく、隣はなにをする人ぞ、デートしてるわけでもなく、ましてや育成しているわけでもなく、まったくなにをどうしたいかが見えないときました。もしかしたら自分、遊び方間違ってる? それくらい隣と自分のしていることは違うようです。

 日の曜日にはデートができるようですね。ちょうどその前日に炎の力を欲しいといわれたところだったので、そうかここはオスカー様にばっちりこびを売っておいて、しっかり投資に励んでもらおうと思い、間違ってクラヴィス様をお誘いしてしまいました。やっぱり自分の気持ちに嘘はつけないっていうかー、クラヴィス様一筋っていうかー、純情なのですよ。

 平日朝から迷惑な訪問も、他の方なら無視してしまうところを、クラヴィス様なら招き入れちゃうっていうか、一点投資主義がここにも生きてきています。

日課のこと

 守護聖様と仲良くなるには、日々のご挨拶が大切なようです。でもこの挨拶というのは、恋愛ゲームによくみられるストーキング行為(相手の都合お構いなしにつきまとって押しかけて親密度向上を図る)のことをいうのか、あるいは占いハウスや公園でお会いしたときのものだけをいうのか。ここは厳密に言葉通りにとって、後者のものだけを挨拶と考えることにしました。用もないのに執務室にお邪魔するのはなによりはしたないですし、下手すれば通報されかねませんし……。

 このゲームでは、ハートを消費することで時間が経過するという仕組みのようです。なので、朝一番に占いハウス、公園、神殿、森を訪れ挨拶活動を展開し、投資のお願いをするたびにまた、森、公園、神殿、占いハウスをまわるというのが日課になりました。まさに挨拶まわりですね。けれど、アンジェリークったら森に行くたびに、夢見心地でくるくるまわって時間の無駄やらいらいらするやら、私はこういう夢見がちな娘は苦手です。×ボタンでキャンセルさせてー、って思います。

デートイベント

 デートです。日の曜日にはクラヴィス様の執務室を訪れて、とりあえず公園にお誘いします。しかし、このデートイベントは曲者ですね。なんだってこんなに詰問調というか、三択クイズ勝ち抜き戦みたいというか、一問でも間違えるとパーというのはちょっとどうかと思います。もうちょっと、ほら語らいというか潤いというか、そういうのが欲しいのですよ。

 公園の西側入口がどうやらひとつの山場になってるみたいです。正解し続けると、ついには禁断の地に通されて、イベントグラフィックゲット、じゃなくって語らいとか潤いとかのめくるめく展開が訪れるのでしょう。

 そんなわけで、私頑張りましたよ。デートを重ねること三度目にして、クラヴィス様の問いに全問正解いたしました。第一問目で敗退した第一回デートとは大違いですよ。さあ、さあ、どんな展開が! と鼻息荒く、いや失礼、小さな胸を高鳴らせて身を乗り出せば、あれ、もう帰っちゃうんですか。もう少し話をしたいっていうけど、こないだの途中で帰ったときよりもあっさりとした展開? なんで? どきどきをかえせーっ!

 あ、そうそう。地上の神官さんからケーキをもらったのですよ。でなにを思ったか、そのケーキはロザリアにプレゼントしてしまいましたとさ。アンジェの中に潜む男性性が悪さをしたみたい。

ひとつきめのおわり

 第二十八日目に実施された試験。はたしてなにをどう評価されるのかどきどきしていました。もしかして、デートイベントの時みたくばんばん問題を出されるのか、守護聖様とのラブラブ度もチェックされるのか。単純に人口増加ばっかりに終始してきた自分には、ちょっとどきどきの展開でした。

 えー、単純に人口数が問題でした。よかったです。

 アンジェリークの土地ロクリアの人口が二百五十を越えたのに対し、ロザリアの土地フェリシアの人口は四十台。うわー、負ける気しないし。これ、絶対、後で逆転とかするわけないよ、とか思いながらも、夏の過ぎた時点でいかづちとか洪水とか地震とかで今までの努力水の泡みたいな展開があるのではないかと怖れる私でありました。


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公開日:2004.06.28
最終更新日:2004.06.28
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