をむなもすなるアンジェリークといふものを、をとこもしてみんとてするなり。それの年のみなつきのとおかあまりななひのひのねのときに開始す。そのよし、いささかにものに書きつく。
ちょっとした一仕事が終わって、ちょっとした手持ちぶさた感にとらわれてしまいました。空虚を埋めるようななにかをはじめたいなあ――、そうだ、ゲームしよう。うちには買うだけ買って、起動させたこともないようなゲームが山とあります(もったいない!)。そんな中から、それほどハードでなくそこそこはまれそうなものをと探していると、おおそうじゃ、アンジェリーク デュエットがあった、どうやらこれがよさそうじゃ――。
そんなわけで、暇になったわけでもないのですが、アンジェリークを急遽開始する運びとなったのでした。
一応弁明を。なんで男の私がアンジェリークを持っているのかというと、ちょっと訳ありです。
数年前、姉の誕生日のプレゼントにと買い求めたのがアンジェリーク デュエットでした。ちょうどプレステ2が出た年で、旧プレステが余ってしまっていたのです。これをそのままにしておくのももったいないからと、アンジェリークとプレステをセットで呉れてやろうじゃないかと、わざわざアンジェリークをやってた人に、シリーズのどれがいいのときいてみたりして、そうして選んだのがデュエットでした。
さて、なぜそのアンジェリークが今私の手元にあるのか? 単純な話でありまして、返品されたのです。大きくてかさばるからいらんと、一応はじめてみようとはしたが、最初の自己紹介で耐えられなかったと。だから返品。そうして私の、持ってるだけで未プレイソフトはまた一本増えたのでした。
今回のプレイコンセプトをお話しておきましょう。
今回アンジェリークをはじめるに当たっては、いくつかの制限を課すことに決めました。
情報収集をしないというのは私のゲームプレイの基本であるのですが、説明書を読まないというのは異例のことです。取りこぼしのないよう説明書を熟読し、おもむろにゲームを開始するのが常でした。ですが今回は、操作方法も知らず、基本情報も仕入れず、まったくの無知からスタートすることにしました。
けれどいいかげんにはしたくない。そういうところは生真面目で、私のつまらないところでもあります。
さて、守護聖様萌えに努力するという項目。これはいったいなんなのでしょうか。単純なことでして、この手のゲームは、必然的にキャラ萌えの才能の有無でプレイの成否が分かれます。単純に、ライバルと争って協力者を増やし勝利するというだけでは、つまらないのです。だから心底からあの人を攻略したいと思えるよう、努力することに決めました。そう、古くは美樹原、近年をみれば天羽、星原他多数、あるいは大村いろはに対して思いを抱いたように――。
最後の絶対勝つというのはいわずもがな。私はこう見えて負けず嫌いなので。
このゲーム、プレイヤーが名前を入力できるとは知りませんでした。けれどここに男の名前を入れても面白くないし、ある意味狙ってるようでもあるので、ここはひとつデフォルト名を使おうと思いました。ちなみに私はがんとしたデフォルト名派で、プレイヤーキャラに自分の名前を付けることはまずありません。ドラクエやウィザードリィみたいにキャラクター名が決まっていないものは別ですけどね。そういえば、藤崎は名前を入力させたよなあ――、こういう場合は本名を入れています。
さて名前を入れようとして、はたと困りました。ヒロインの名前なんだっけ? 声が白鳥由里というのは分かったんだけど、名前をとんと思い出せない、困ったとパッケージを探してみれば、アンジェリークと書いてあった……。私、本当に馬鹿じゃないのか?
なお、星座と血液型は私のものです。えーと、蠍座B型です。
かくして開始されたアンジェリーク デュエット。はたして最初の山場、守護聖様自己紹介の壁を越えることはできるのか? 次号、請うご期待。
私は、いわゆる「萌え」という用語が嫌いで嫌いで、今まで一度も使ってこなかったものを、はじめてここで使いました。実に断腸の思いです。