ガンパレード・マーチ

初戦ことごと日報:勝利の向こうに涙と悔いが

(盛大にネタばれをしています 未クリアの人は注意して下さい)

 昨夜、取り扱い説明書をぱらぱらとめくっていたら、なんと便利なアイテムを持っているやつがいることが判明。便利なアイテムとは、戦闘時の攻撃力がアップするアイテム、田代のライダーグローブと来須の帽子がそれだ。そういえば、誰かが田代は最強の拳を持ってるみたいなこと言ってたっけ。

 というわけで、今回の目標が決定。

 第一は、ライダーグローブと来須の帽子を平和裏に入手すること。そして、せんだってからブータがいけいけといっていたアーケード街の十字路に行ってみること。最後に、より良い装備、環境を揃えるため、開発技能をレベル3まで上げる。

 果たして、この目標は達せられるでしょうか。


四月九日:トレードにも考えるとこあり

 昨日陳情しておいた展開式増加装甲が届いた。急いで滝川機に装備させよう。もとはといえば、滝川機がふたつ装備していたうちのひとつを勝手に奪って突撃型に装備させたんだから、滝川にこうして返すのは当然といえば当然なんだけどさ。

 ハンガーへ向かう道の途中、ライダーグローブと来須の帽子とのトレードに使えるアイテムもいるなと思い、売店による。と、そこに石津が。今まで一度も話しかけてこなかった石津が、この日に限り話しかけてきた。一緒に教室に向かうことになった。

 まいった。いつもこの時間に装備を調えているというのに。昨日の出動で煙幕弾頭を使い切っている。こんな装備で出動がかかったら、下手をすると仲間がスキュラの餌食にかかってしまう。出動がないようにと心から祈る。

 出動要請もなく、無事昼休みに。瀬戸口が皆をお昼に誘うが、それを断り急ぎハンガーへ。突撃型に多目的ミサイル倉と煙幕弾頭をしこたま積み、滝川機に盾を取り付けた。これで一安心だ。

 安心して売店に向かう。取りあえず、交換で田代に渡すアイテムとして工具箱を選択。彼女は壬生屋機を整備するテクノオフィサーなので、この交換は前線で戦う自分にも、後方で支援する彼女にも役立つはずだ。壬生屋機の整備状況がよくなることは、自分にとっても利が出てくる日もあるだろう。
 というわけで、さっそく田代を見付け交換を持ちかける。ちょっと声を大にして喜びを前面に押し出して、確率48%。ドキドキして見守る中、彼女はこころよくオーケーしてくれた。

 次は来須だ。

 しかし、仕事中に持ちかけて断られるといけないということで、ぎりぎりの時間まで仕事に精を出すことにした。というか、仕事時間だから当たり前か。
 仕事に打ち込んだおかげで、三番機のコンディションがオールSになった。これはこれでよかったな。

 19時になって急ぎグランドで来須を捕まえ、若宮の目の前で若宮のビキニパンツと帽子とを交換してもらった。これも、来須の運動量を上げるための一案である。とはいえ、自分用の若宮のビキニパンツを購入しておこう。

 というわけでアーケード街にいって、怪しい店に寄る。そういえば瀬戸口の靴下を持ってたっけ。靴下をこよなく愛するという中村にあげようかと思っていたが、売ってしまうことにする。でも、舞の靴下は売らん。はじめてくれた彼女からのプレゼントがこれなのだ。しかし、なぜ靴下?
 軽くドーピングしてからビキニパンツ再購入。その後十字路に寄って、幻視技能をレベル3まで上げた。

 さっそくこの能力を試すべく、ブータを探す。こんなときに限っていないんだよ。猫笛を吹こうにも、猫好きの芝村にプレゼントしてしまってるんだよ。というわけでうろうろと夜の学校をうろつき、やっとこさ猫を発見。わくわくしながら話しかけても、いつもどおりでがっかり。仕方がないから一緒に訓練して、今日は終わり。

 今日は、久しぶりに出動がなかった。人類側が押しているということでいいことんだけど、撃墜数も上がらなくてやだなあ。

四月十日:友達を増やそう

 というわけで、今日の目標はちょっとひねくれてそうな茜君と友達になることだ。授業が終わって、今日は土曜日ということで、テクノオフィサーの彼を探しにハンガーに急ぐ。

 その時だった。森が話しかけてきた。
 ショッキングな内容。士魂号に関する噂らしいが、それを彼女に教えた教師が失踪しているらしい。嫌な予感がする。頼むから、これ以上調査をするのはやめて。危ない橋は渡らないで欲しい。

 ということで、茜に接近。次々と話を持ちかけ、ついでに手元にあった白衣を彼にプレゼントした。そうしたら、彼がまたショッキングな事実を語ってくれた。芝村に復讐するので手を貸せという。まずは芝村舞がターゲットだと。勘弁してくれ。なんで自分の恋人に君のきな臭いラブレターを渡さないかんのじゃ。
 というわけで断ったら、二度と口をきくなと敵意をむき出しにしてきた。だけど、そういいながら話しかけてくるのは君の方じゃないか。でもその矛盾、嫌いじゃないよ。

 開発技能をレベル3に上げる。これでいろいろ頼めるはずだ。そういえば今朝使い物にならなくなったウォードレスが廃棄されたといっていたっけ。急いで陳情にいって、なにを頼んでいいのかわからないので、以前授業で聞いて覚えていた、可憐ストライカーD型を陳情することにした。そういえば、戦闘時の生中継でよく活躍していたっけ。
 ついでに映画のチケットも陳情しておこう。

 夜、滝川から小さな紙切れをもらう。これだな、この間のテストで君が一番をとった原動力は。ありがたくもらっておく。
 この場にいた芝村がふたりで歩こうと持ちかけてきたのでオーケー。明日のデートの約束をこぎつけた。たまにはいいよね。

 気を良くして、時間のあるうちに野戦技能を高めておこうと学校から出たところで狩谷と遭遇。Hな雰囲気に……

 なお野戦技能レベル3は取得できず。その夜の報で、幻獣が絶望的な数を投入してきたことを知った。明日はどうなるか。

四月十一日:残り時間がひと月をきって

 今日は雨。お弁当が届いて、手元がたくさんになってしまったので小さな紙切れを捨てる。

 戦闘が近いことを察し、デートの待ち合わせの前にハンガーへ急ぐ。壬生屋、滝川機は展開式増加装甲を二枚、ちゃんと装備してくれている。安心する。そういえば、昨日ストライカーDを陳情したのはいいが、一着しか頼んでなかった。ということは、若宮が来須に差を付けられることに気付いてもう一着を慌てて陳情。ついでに長射程という点に引かれレールガンも陳情。その上調子に乗って、自分の昇進も陳情しておいた。

 発言力、大幅ダウン。けれど、隊長室を出たところでいい噂が。ちょびっとだけ発言力が戻った。

 その後芝村と映画館でデート。かなりいい雰囲気。だけどなんでお金いるの? 芝村準竜師のくれたチケットって、ただ券とちゃうん? ちょっぴりショック。

 校門でわかれようかというその時、招集がかかった。出動だ。

 今日の戦場は球磨戦区。ほとんどが平地のだだっ広い地形。長射程を誇るキメラの、また三体いるスキュラのレーザーにとって有利な地形と言えるだろう。

 壬生屋機、滝川機が盾を二枚装備していることを確認して安心。煙幕が張られる前に敵射程に踏み込むポカはないはずだ。
 ついでに、本日の戦友を確認していて驚いた。可憐D型を着用しているのは来須だと思い込んでいたが、実は若宮が装備していたのだった。しかし、なんで来須が着用しているものと思い込んでいたのだろうか。

 ともかく来須には明日到着する装備を待ってもらうとして、今日の戦いはさくっと終わらせよう。いうほど敵も多くないので、敵陣中央に踏み込みミサイルで片が付くだろう。

 戦いの火蓋が切られると同時に煙幕弾頭を発射。敵レーザーを無力化する。ここは平地が多いと見て、前方への幅跳びからダッシュへ繋ぎ、敵方との距離を一気に詰める。その後、二度の幅跳びをもって、ミサイル発射へのシークエンスに入る。

 防御から狙いを付けミサイルを発射する。この時点で煙幕の効果時間の半分以上を費やしている。ミサイル発射待ちの間に、味方機がきたかぜゾンビ、ゴルゴーンの実弾武器を持つものに攻撃を受けている。ミサイル発射までをいらいらとしながら過ごし、ミサイルが発射。敵の大半を始末するも、大物はまだ生き残っている。

 しかし、敵に大打撃を与えた。これからは掃討戦に移行するはずだ。思ったとおり、次々と撤退に入る敵。しかし、攻撃範囲に味方機を捉えていたキメラの生き残りがレーザーを発射。歩兵がやられた。煙幕の効果時間が過ぎていたのだ。今までの戦いのなかで初めての死者。なんともいえない気分が、胸の中に広がる。

 時遅く、二度目の煙幕弾頭が発射された。しかしこの判断は功を奏する。敵の援軍が現れた。煙幕弾発射に続きミサイルを装填。敵援軍に向けて横飛びで向かっていく。
 敵援軍も撤退にはいっている。その移動距離を見越して少し手前でミサイル発射のシーケンスに入った。今度は防御を省いている。

 しかし、敵の多くがミサイルの射程に届かず、数匹をしとめたにとどまる。生き残ったスキュラは、その長い足を活かし次々と撤退していく。
 仕方がない。ミノタウロスとゴルゴーンを狩るしかない。

 ジャイアントアサルトを構え敵方向に向き直り、敵の移動距離を見越したところで発射準備に入る。連射でミノタウロスを始末。その後はすり足で敵をとらえながらの射撃で、こちらに向かってくる敵残党を屠り、勝利。

 しかし、これは勝利なのだろうか。名もない兵がこの球磨の地に散ったことを、一生忘れない。

 雨の影響で、再び生活環境が悪化。明日は作戦会議を開いて、校舎の修理でも提案しよう。


初戦、ことごと日報:疾走の先に気付けばひとり

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公開日:2000.11.28
最終更新日:2001.09.02
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