ここの小隊指令は、戦闘ばかりが頭にあってちっとも人事を考えてくれないので、一歩兵に過ぎない来須がなぜだか頭を悩ませておる次第。歩兵は歩兵らしく、隊の前衛だけを考えていたいのに、そうはいかないのが困りものです。
さて現在の無職は滝川と善行のふたり。善行は戦車技能をレベル2まで持っているのでパイロットにしてもよかったんだけど、彼がパイロットをやっている姿というのもなかなか想像がつかないので、彼の行き先も考えながら、なんとか滝川に戦車技能を覚えさせたいところです。
第三週は作戦会議から始まった。議題は三号機の電子戦仕様への改装。どうやら人間の好き嫌いが賛成反対の根拠となっている雰囲気で、もしかしたら議題が流れるのではないかとはらはらする。
しかし、幸運にもなんとか議題は通り、電子戦仕様への改装が決定して一安心する。
ところが安心も束の間、岩田の陰謀で善行がスカウトにされてしまった。というか、自分はどうなったのかと思い、焦って部隊の配属表に走り、自分が無職になっていないことに一安心した。
とはいえ善行がスカウトになるとは正気の沙汰の人事ではない。岩田は善行に死んでこいというのだろうか。腹が立って仕方がないので、見つけ出してぼこぼこに殴ってやろうかと思ったが、まだコマンドワードを教えてもらっていないので、殴るのはやめておこう。
このままにしてはおけないので、自分の発言力を駆使し、親友若宮をスカウトに戻し、善行を二番機パイロット、岩田を二番機整備に配置替え。これでとりあえずは安心だろう。
しかし発言力が心もとない。茜を見付けて、いまだ心理的打撃冷めやらない茜にブレイン・ハレルヤをプレゼントし、芝村からは紅茶をだしに電子妖精を巻き上げた。
加藤から提案「お金を返せ!」を入手。残るは二つ。
コマンドワード入手のために岩田を見付けてスカウトの仕事を手伝わせ、ついでに中村と訓練する。
戦闘では試みに今回から超硬度カトラスを二本装備。もし使い物にならなかったときのことを考え、サブマシンガンも持っておいた。
戦場では、今までの心配もばかばかしくなるほどに善戦。好戦的速水指令の人の喧嘩にまで参加しにいく性格が幸いして、全三十五撃墜中、十二体撃破を達成。慣れてくれば、もっと戦えるようになっていくだろう。
絶望の二日目が始まる。なんと狩谷の陰謀で滝川がスカウトに。いやあ、そりゃずっとあいつ無職で、遊んでばっかりで、腹立つ気持ちもわかるよ。それにどこぞに配置させようとしても、役に立つ技能をなんももっとらへんから、スカウトにしか出来ないのもわかるよ。
だけど一歩兵として頑張ろうという、僕の目標を邪魔するのはやめてくれ。狩谷、君の陰謀のおかげで、今日から無職なんだよ、俺。
というわけで、今日から二組に編入しました来須。絶望の二組、といった感じだ。けど、いつもと違う雰囲気もいい感じがする、とはいえこのまま戦闘が起こるとやばい。自分がいないところで戦友が死んでいくのだけはごめんだ。
陳情は朝一番にすましているのだが、今日だけは戦闘が起こって欲しくない。と授業が終わるとすぐにパソコンの前に陣取り、電子妖精の作成にとりかかった。こうやって時間稼ぎをして、出動を阻む計画なのだ。
この作戦が功を奏したのか出動はかからず、けれどプログラム作成は失敗して、やっぱり運の悪い日だった。
ののみから提案「あの人と仲良くして」を入手したのはよしとしても、その後速攻で争奪戦が起こるのは洒落にならない。戦闘を回避したいばかりにふたりを放置したわけで……
森と田代の喧嘩もあり、小隊の人間関係の悪化が気になって仕方がない、というか人見て喧嘩売れよ、森。
今後が憂鬱だ。
朝から喧嘩、田代が芝村にあやをつけたようだ。田代連戦連勝。さすがにライダーグローブ所持者だけのことはある。
早々に石津にあやまり、状態を回復してもらう。でも、東原は放置することに決めた。雰囲気は悪いが知らん。イタリア男は、こんなことには慣れっこにならなければ。
いきなりの戦闘、早々とスカウトに復帰しておいてよかった。だが、大物ねらいでミノタウロスにかかっていって、ひどく後悔する。大物には大物に適した戦略が必要と思い知らされた。
おかげで十三撃墜中、来須戦果はたったの四体にとどまった。
ところで、本日終了時のレポートに目を通していて、スカウトの夜間戦闘が故障になっていたのはどういうことか? そんなもん故障するものなのか?
明日は日曜でデートなのに。朝のうちにどうにか出来るだろうか。
昨夜判明した故障が不安でグラウンドに急いだものの、まったくなにもなく普通だった。気味が悪かったが、安心してデートに行く。相手は、もちろん石津だ。
行き先はプール。水着が嫌いとは知っていたけど、喜んでくれてよかった。その後、公園に行って不思議な光景を垣間見る。死ねば自分も光になって守ってくれると石津はいってくれたが、ならば生きているうちは自分が石津を守ろう。命に代えて、守ってみせると決意した。
デートが終わった後で戦闘。これはもう完全にパターンになったといっていいだろう。
昨日の反省を生かし、スカウトらしく小者の整理に従事したおかげて、全十三撃破中、来須戦果は七体。まずまずか。ちょっと不満だけど。
速水が準竜師にまで上り詰めた。油断できぬ男だ。というか、ここまで階級って上げられるのかとかなり驚いた。
準竜師就任で勘が狂ったのか、今日は出動がなかった。一日中仕事に明け暮れて、電子妖精の作成に今度こそ成功した。発言力の余裕がないと不安で仕方がないこの頃。
滝川がまたスカウトに…… おのれ狩谷……
今回は前回と考えを改め、スカウトの仕事と訓練をふたりでこなすことで、自分の持つ戦車技能をやつに覚えさせ、パイロットにまわしてやるという作戦に出る。その間、親友若宮には悪いが無職で頑張ってもらおう。
また喧嘩が発生。今度は新井木と遠坂だ。遠坂の勝ち。やっぱ男の子なんだなと、意外な感じを受けた。
昼のうち、岩田から「後方切り(BTS)」を入手。これでやつには用はない。だが、親友状態になっちまってるんだよなあ。しかたあるまい。現状は維持しておこう。次いで、整備技能を取得するべく、休み時間を利用して技能取得のつぼを探っておいた。
滝川の取得技能を見ると、家事が増えていた。というか、なんでこういう持ってて仕事の役に立たんものばっかり覚えてくるんだこいつは。
午後に入って作戦開始。滝川と二連続で仕事、その後訓練。ついでにそばにいた岩田も訓練につきあわせたら整備技能を獲得。これはラッキーだった。
本日の戦闘で、ついにスキュラが登場。煙幕手榴弾を投げレーザーを無効化している間に、ロケットジャンプで近づき、突き、振り上げる、突き、返し刃(FSAFSV)で次々と屠っていく。こうなればもう怖いものなしだ。
だが、怖いものは別に存在していた。滝川だ。
おとなしく可憐を装備していてくれたらよかったものを、武尊着用で突出。敵に取り囲まれているやつを助けるべく、戦術もなにもなく特攻。次々と被弾する滝川。もう一発くらうと死ぬというまで状況悪化するやつにはらはらしながら、獅子奮迅の戦いで右切り、左切り、突きに返し刃を駆使して、幻獣を次々と屠っていく。
ついに幻獣を撤退に追い込み、ほっとしたら滝川も撤退。最初から出てくんな。
滝川にペースを乱され、全十五撃墜中、七体をものにするにとどまった。
早くやつを、スカウトから外さねば……
黄金剣突撃勲章をもらった。ありがたいことだ、発言力が増える。
ありがたいといえば、昨日速水指令の新型機か現状機の補充かどっちがいいという問いに、現状機を補充してくれといったのが功を奏したのか、あほみたいに戦車とウォードレスを送ってくれた。ありがたいけど、多すぎ。
その上、芝村が武尊を次々と陳情してくれているらしい。電子妖精を巻き上げているうちに、なんだかその気になってしまったようだ。やばい今度は彼女が火種になるのだろうか。どうやって愛情値を下げようか……
この発言力を盾にライダーグローブを平和裏に入手。とにかく、戦場では自分がやらねば小隊の危機につながる。少しでも強化できるものを入手しておこう。
滝川をとりあえずスカウトから外すためにやつの技能を見たら、なぜか事務を入手していた。こいつを事務官にするのは著しく不安だが、仕方がない。
加藤を三号機パイロットに、茜を一番機整備に回し、スカウトにようやく若宮を呼び戻すことに成功した。とりあえず、滝川が事務になったら、仕事頑張ろうでやつの志気をがんがん上げることにしよう。
現在、小隊の転戦先は阿蘇特別地域である。ここは幻獣の巣といってもいいほどの密集地で、滝川が前線から退く前にここで戦うことになると、それこそやつは死んでしまいかねないだろう。
再び戦闘回避策で、授業終了後すぐに電子妖精作成に着手。電子妖精も出来、やれやれと思った途端、出撃。えー、なんでやねん。
こんなことなら自宅に帰っとけばよかった。
出撃時にレールガンに乗るかどうか聞かれる。そういえば、速水指令の大量の補充にレールガンも含まれてたっけ。滝川を守るためだけにレールガンで出撃。ありがとう、速水指令。
レールガンの足の遅さにくらくらしながらも、とにかく敵をとらえられる位置をとり、狙いをつけるから射撃開始。とにかく大物スキュラを落として、敵を撤退に持ち込むつもりだ。
だが、敵の大半がミノタウロス、弱くてゴルゴーン、きたかぜゾンビという状態で、スキュラの二体を落としただけでは撤退がかからない。それどころか、突出していた茜、芝村の三号機が敵に狙い撃ちされ、初の撤退戦を強いられることとなってしまった。
しんがりは自分が努めるほかないだろうと、弾を撃ち尽くしたレールガンを捨て、大破寸前の三号機か、近々こちらも破壊されるだろう善行二号機のどちらに加勢するか考えていると、三号機撃破。せっかく電子戦仕様にしたのに、電子戦仕様らしい戦い方をしなかったばかりか、ミサイルさえ撃たないやつらに腹立ちを隠せず、善行を助けにロケットジャンプ。
敵の山に飛び込んで、突くは切るはでまたも獅子奮迅の戦い。だが善行機は守りきれず大破、善行は脱出して逃げていった。
善行側に群がっていた幻獣数体を屠って、三号機の盾となるべく突出してきた壬生屋機を見ると、逃げる茜、芝村を守るがごとく鬼神のごとく戦っている。というか、はっきりいって壬生屋を見直しました。
ロケットジャンプで、通りすがりにきたかぜゾンビを刀の錆びに、壬生屋機の援護に駆けつけたときには手負いの幻獣二体が残るのみ。それをふたりで始末して、本日の戦闘は終了した。
味方損害は二号機、三号機の二機のみ。死者はひとりも出ず一安心。
戦果は二十撃墜中、八撃墜。よっぽど壬生屋が頑張ったらしい。後は、航空支援のたまものだろう。
そういえば、滝川、ずっとレールガンの中にいたの?