日本の夏には、御先祖様たちがあの世から帰ってくる。この祭は盆といわれ、多くの人が正月三が日と同じように休みをとる。田舎に帰る人たちも、またたくさんいる。
私の住む京都では、八月に御先祖を迎えることとなる。八月十三日に彼らを迎えるための火を焚きながら待つのである。この日は迎え盆と呼ばれ、火は迎え火と呼ばれる。しかし私は一度も迎え火を焚いたことがない。そんなわけで、私は盆に特別な空気を感じない。
子ども時分には、祖母の家で盆を過ごしたものだった。けれど、もう亡くなっていた祖父を迎えるためというよりも、従姉たちと一緒に遊べるのが楽しみだった。楽しい日々はいつもすぐに過ぎて、私は家に帰らねばならなくなり、御先祖様も再び逝かねばならない。だから私達はまた火を焚く、今度は彼らを送るために。これが送り火であり、京都ではこれを盛大に行う。大きな文字と図形を、火でもって山肌一面に描くのだ。
盆は火とともに過ぎゆく。盆の終わりは夏の終わりだ。
(初出:Les douze mois au Japon, mais selon moi,オリジナル:フランス語)