頭痛

 朝からひどい頭痛がする。風邪やなんかではなくて、肩凝りが高じてのものだ。私はどうも肩にせよなんにせよ凝りがひどくなる体質のようで、首も背も、うかつに動かせぬほどにまでなってしまっていた。そのせいで悪夢まで見る。もう辞めた職場で、自分にいい顔をしていた人が実は自分を疎んでいた。いや、これはあながち夢ばかりではあるまい。人間頑張りが過ぎると反面疎まれることもあると、件の職場で事実再確認したところじゃないか。だからこれは、自分が感じていたわだかまりが夢のなかで具体的の形になったものだろう。あの時、頑張れといいながら影で疎んでいるらしいことを察して、二度と仕事他人のためになど頑張るものかと思ったが、やはり私は頑張っているのだろう。その証拠がこの肩凝りである。

 なにをするにも頭痛が邪魔で、あんま椅子に座ってみたりもしたのだが、どうにも凝りの方が上手のようでまったく利きやしない。休み休み、横になったり腕を振ったりしながら、時に少し寝てみたりもしながら、それでも頭痛はとれない。もちろん肩凝りも失せることはない。

 だから夕方から夜にかけてライブハウスに行ってきた。ライブではドラムやベースの重低音が必要以上に増強されて響くものだから、血の巡りも良くなるかも知れない、肩もほぐれるかと期待した。それにライブにつきもののヘッドバンキング。そいつがなによりの頼りだ。

 痛みを抑えるために酒を立て続けに飲んだ。曲が始まるまでが辛かったが、音楽さえ鳴っていればご機嫌である。それがオリジナルならなおさら。カヴァーとも言えないコピーが出たときはさすがに辟易したが、それでももとのレベルが高いから聞けないわけではない。だがやはりオリジナリティがあるのがいい。あっという間に三時間半が過ぎ、頭の痛みも気にならなくなっていた。

 電車に揺られて帰って今、どうしたことか頭が痛い。凝りもひどい。今夜は眠れないかも知れない。


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公開日:2003.04.20
最終更新日:2003.04.20
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