父が小さな飴の包みを買ってきた。弁当のかたちをした飴を見つけたという。それを面白く思って、私たちに見せようと求めたのだろう。しかし私たち家族は皆、それをよく知っていた。それは京都の街中で簡単に見つかるもので、子供時分から見てきた私たちには珍しいものではなかった。私たちがむしろ驚いたのは、同じく京都に育った父がその飴を知らなかったということだ。
私は一度も買ったことがないのだが、何度か欲しいと思ったことはあった。店先にはいろんな種類があって、見てると嬉しくなる。箱や籠の中の小さな果物、おかずは、砂糖でできていて、とてもきれいだ。小豆のご飯(それは赤飯と呼ばれ、なので札にはお赤飯弁当とある)、スイカ、レモン、卵、リンゴ、栗、などなど。私はいつも、これらを食べるのを残念と思ってしまい、だから私はまだ食べられずにいる。
私はこの飴が京都の伝統菓子かどうか知らない。けれど、私はこのお菓子に京都らしさを感じてしまう。
(初出:Allons au Japon !,オリジナル:フランス語)