1947年5月3日、日本国憲法が発布され、だからこの日は祭日だ。
私たちの憲法は、今日まで一度も改正されていない。しかし最近憲法の改正を望む人たちが増えている。憲法は日本の現状にもうそぐわないということだ。同様に憲法を護ろうという人たちもいる。この日、このふたつの勢力は激突する。しかし日本の大勢は、ふたつの意見に自分は関係を持たないと思っている、気にはしながらも。私はというと、彼らと同じ日和見である、多分。
日本の憲法には、戦争放棄の条文があることをご存じだろうか? 日本は他国を侵略するのも戦力を持つのもいけない。だがあなた方はこういうかも知れない、日本は軍を持っている! 私たちの政府は、その存在を解釈の違いであると説明する。我々は侵略のための戦力を持たず、彼らの活動は自国の防衛に限定されている、と。私のいうことが詭弁だとお思いだろうか? そう、私もそう思う。だから私は改憲の言い分も等しく理解するのである。
私はボリス・ヴィアンの歌が好きだ。武器を持たず、撃たれることも構わない。だが私がこういえるのは、私の事柄に過ぎないからである。私は他の人たちに、あなた方も撃たれることなど気にするなとはいえない。
(初出:Les douze mois au Japon, mais selon moi,オリジナル:フランス語)