一月の一日から二日にかけての夜に見る夢は、初夢と呼ばれ、日本人はよい夢であればいいのにとちょっと期待している。初夢で今年の運勢を占うのだ。夢のお告げを本気で信じているものなどおそらくいやしまいが、悪夢を望んでいるものもまたないだろう。もちろん私もそうだ。あなたは? それが初夢なら、なおさらいい夢を見たいと思うのは当然だろう。
いい初夢を見るために、昔の日本人はちょっとしたおまじないをした。七福神の乗った宝船の絵を枕の下に敷いたのだ。そう、確かにこれは迷信でしかない。けれど、偽薬が症状を快方に向かわせるように、この絵がよい夢を見せることもあったのではないか? しかし私は効果のほどを知らず。なにしろ試してみたことが一度もないのだ。
策を講じなかった私の初夢は、どんなものだったのだろうか。
無秩序にたくさんの机が積み上げられた教室に、私はいたのだった。部屋の真ん中、机の上にノート型のコンピュータがあって、私はそれを操作している。教室内のあらゆるものが私に敵意をあらわにして、私はなにをどうしていいかわからなかった。戸が音を立てて開き、私の上司が何人かで、机をかき分けながら入ってきた。彼らは私にデータベースを作るように命じると、出ていってしまった。
この夢は私の運命を告げている。今年もまた、データベースを作らないといけないという運命を!
(初出:Les douze mois au Japon, mais selon moi,オリジナル:フランス語)