二千五年一月

初夢

 一月の一日から二日にかけての夜に見る夢は、初夢と呼ばれ、日本人はよい夢であればいいのにとちょっと期待している。初夢で今年の運勢を占うのだ。夢のお告げを本気で信じているものなどおそらくいやしまいが、悪夢を望んでいるものもまたないだろう。もちろん私もそうだ。あなたは? それが初夢なら、なおさらいい夢を見たいと思うのは当然だろう。

 いい初夢を見るために、昔の日本人はちょっとしたおまじないをした。七福神の乗った宝船の絵を枕の下に敷いたのだ。そう、確かにこれは迷信でしかない。けれど、偽薬が症状を快方に向かわせるように、この絵がよい夢を見せることもあったのではないか? しかし私は効果のほどを知らず。なにしろ試してみたことが一度もないのだ。

 策を講じなかった私の初夢は、どんなものだったのだろうか。

 無秩序にたくさんの机が積み上げられた教室に、私はいたのだった。部屋の真ん中、机の上にノート型のコンピュータがあって、私はそれを操作している。教室内のあらゆるものが私に敵意をあらわにして、私はなにをどうしていいかわからなかった。戸が音を立てて開き、私の上司が何人かで、机をかき分けながら入ってきた。彼らは私にデータベースを作るように命じると、出ていってしまった。

 この夢は私の運命を告げている。今年もまた、データベースを作らないといけないという運命を!

(初出:Les douze mois au Japon, mais selon moiオリジナル:フランス語)


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公開日:2005.01.03
最終更新日:2005.01.11
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