いくらなんでも風邪ももう潮時と思って締めに入ってみたらば、その夜に強烈なのどの痛みに襲われ、翌日発熱。しかし問題は発熱よりものどの痛みで、声が出ない。あまりの酷さに、長引いてはかなわないと、さすがに病院にいきました。
その日の朝にはかった熱は37度を少し超えたくらい、病院の待合ではかった熱も37度台中盤程度とさして高くないのが救いといえるか、ただ鼻詰まりがひどいので、ぼうっとした感じがとれないのがいよいよいやな感じ。それよりも朝の病院は年寄りがたくさんで、風邪引きなんて私くらいしか見えなくて、こんな時期に風邪をひいて病院にかかるようなのはきっと私くらいなもんなんだろうなあ。待ってる時間がつらかった。いや、単純に風邪のせいでつらかったのですが、ぼうっと座って三十分、呼ばれたときにはようやくという安堵感がありました。
声が出ないから問診がさぞつらかろうと、そこはもう用意万端で、メモ紙をつかんで出てきていたから、そこに待合で容体の推移を簡単に書いておいたのを先生に渡して、それであとはいつもどおりのどをのぞいて、胸の音を聞いて、そうしたら以前肺に出ていた影について心配されてしまったのは少々不安です。五月六月ごろにまた写真を撮るから、それでもってまた判断しましょうということで、しかしなんだか不安になります。
医師の説明によれば、この手の風邪が流行っていて、声の出ない患者はたくさんいるとのこと。少し安心する。処方された薬には抗生物質があったから、ウィルス性ではなくて細菌が原因でしょう。
帰る時点で熱はさほどではなく、歩いて帰ったらば天気雨がぱらぱらと降って、そこで一首を詠んで、あれこれひねりながら帰る。帰り着けば早速メモ書きして、食事をとって、薬を飲んで、寝る。一日寝る。これでなんとか収まってくれればよいのだが、期待しながら寝る。
道の端狐のよめ入り春しぐれ見上げし顔をうちて冷たし