職場にては、長くWindows 2000を使ってきたのですが、ついにそのPCもリース切れ、新しいコンピュータがあてがわれることになりました。それはとても嬉しいことで、なにしろ職場において一二を争う古いPCで、かつメモリも256MBという厳しい環境でしたから、今のPCはもう夢のようです。CPUはCentrinoだし、メモリだって2GB。比較になりません。さて、こうしたハイスペック機をあてがわれたのには理由があります。それは、皆に先立ってWindows Vistaを体験し、ノウハウを蓄積せよということなのですね。そうです。いずれ導入されることは間違いないWindows Vistaを知るための、いわば斥候に選ばれたのでありました。
斥候の任について、最初の数時間は文句のひとつも出ましたね。スタートメニュー内、今までなら各項目にキーボードでショートカットできたのに、なぜかキーの割り当てがなくなってしまった。不便。なんじゃこりゃなんていっていたんですが、しかし使っているうちになれるものです。翌日にはなんとか使えるようになっていて、翌々日にはVista悪くないじゃんなんて思うようにもなっていて、これいいですよ。/Users以下、各ユーザのディレクトリはずいぶん整理されて見通しよくなりましたし、旧ディレクトリへのシンボリックリンクも作られているみたいだから、Vista向けにデザインされていないアプリケーションも結構動きます。こりゃいいよ。たって、私はMeadowとFirefox、Thunderbirdが動けば文句はないので、あまり一般的な意見にはなりえないような気もします。
こうしてVistaに触れて、こいつはいいよ、むしろ革新的で好感持っちゃったね、すっかり宗旨替えしてしまって、今更XPなんて使おうという気にはなれません。でもVista機を買うというのは、経済状況かんがみれば現実的でない。と、ここではたと気がついた。Boot Campがあるじゃんか! Vista単体で買ってきて、iMacに入れちゃえばいいんだよ!
というわけで入れてみました。
このシンプルきわまりないデスクトップ。デスクトップからゴミ箱を排除して、これずっとやりたかったことだから、些細なことだけど嬉しいですね。
Vistaを実際動かしてみて、いまのところ不満といえば、メイリオが読みにくいこととExposéがないということぐらいでしょうか。けどそれを上回って魅力と思われたのは、デスクトップ脇にGadgetを配置できるということでありました。
なぜか? OS XでもWidgetを使えるのに? ええ、GadgetとWidgetは違いますね。WidgetはF12キーを押すことで展開される小ツール群。GadgetはWindows-Spaceで最前面に押し出すことのできる小ツール群。普段は隠れているのがWidgetで、常に画面のどこかにあるのがGadgetといってもいいと思います。
そう、その画面上にあるということが魅力だったのです。なんで!? 簡単なことですよ。さっきのVistaデスクトップ画面を見ていただきたい。画面右端にGadgetがふたつ並んでいます。上に魅力的な女性のイラスト、下にはCPU使用率とメモリ使用量を表示するメーター、これがGadgetです。そう、私はあのイラストを画面のどこかにさりげなく配置したかったんです。ですがOS Xでは、それを実現するためのツール、自分の好みに沿うミニマムなアプリケーションが見つからなかったのです。対してVistaでは、簡単にGadgetが自作できます。フレームなんかいらん。ただ表示したいだけという私にとって、実に理想的なミニマムツールを作ることができたのです。
GadgetはHTMLとJavaScriptがわかれば割と簡単に作れます。なので、まずは好みの画像を表示するためのGadgetを作りました。ついで、職場で遠隔地の監視用においているWebカメラ、その画像を一定間隔で取得するためのGadgetも作りました。所要日数三日? 仕事の合間、隙間時間を使って、テキストエディタだけでできる。実にこれは楽しいぞと思えるものでありましたね。
というようなわけで、私は自分のお気に入りの画像をデスクトップに表示したいというだけの理由でもって、Mac OS XからVistaに鞍替えしたのでありました。ああ、OS X上で動作する、簡単画像ビューアを作る技量があれば、私はきっとOS Xを棄てずに済んだだろうに! 結局はそうしたローレベルの欲求がもっとも強いという話であるのですよ。
以上。逆スイッチについてお伝えしました。
これらのGadgetを使ってなにか具体的な損害が出るとは考えにくいですが、このGadgetに起因する不利益、損害などに対して、webサイトこととねおよびこととねのオーナーは責を負いかねます。
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