仕事から帰ってポストを見ると、『ふらんす』の2002年4月号が届いていました。『ふらんす』というのは、白水社のフランス雑誌――フランス雑誌ってなんだそりゃ。でもこの雑誌を一言で言い表そうとすれば、「フランス雑誌」以外に言葉が浮かんでこない――フランス語も重要なコンテンツですが、フランスという国とその文化にひかれ、知りたい人を対象とした雑誌です。白水社のサイトでちょっとだけ立ち読みもできますので、興味のある方もご存じなかった方も、この機会に一度ご覧ください。
さて、4月号ですよ。年度も改まって、様々のことがまたはじまっていこうとする時期です。この機に乗じてなにかをはじめようという人も増える季節。そして僕もその例にもれず、なにかはじめたいと思っていたのでした。
はじめるなら、役立つものがいい。そのことのみに完結するのではなく、広くいろいろに役立つものが望ましい。だったら語学だろう。できて損にはならない、職業の役にも立つだろう、それになにより世界が広がる――とかなんとかいうわけで、英語でも勉強しようと思ったのがついこのあいだのことだったのです。
英語を勉強すること、それは非常に魅力的です。英語は世界でもっとも広く使われている言語であり、事実上の世界共通語といってもいいほど。ネットから情報を吸い上げるにも、最新の文献を読むのにも、まさに強力なツールとなりえます。なので、僕は英語を学びたかった。英語ですよ、米語ではないんです。
なぜ英語にこだわるかの理由はさておいて(ここはフランス語カテゴリですからね)、一度は英語を学ぶつもりでいたのです。でもフランス語はどうしても捨てられない。今まで(真面目に)学んできた時数を勘定すれば、フランス語は明らかに英語を上回ります。中学高校と真面目になれなかった僕にとって、大学からのフランス語が、本当の語学の始まりだったのです。だから、僕にとっての第一外国語は、なにをおいてもフランス語です。フランス語に対するのと同様に憧れて已まない英語ですが、あくまで英語は第二外国語にとどまります。
僕は、学校を出てからは、主にラジオ、テレビでフランス語を学んできました。一年あるいは半年をかけてひとつの課程が終了するそれらは、無料で受講できるというメリットはありますが、ハイレベルのものは期待できないという弱点があります。それに、それらはブロードキャストメディアであるため、対話的でもありえません。僕はそれらに満足することができなくなっていたのです。
とくれば、もう教室に通うしかありません。でもどこに通えばいいの? どこがいいの? という疑問に応えるページが『ふらんす』4月号にはあって、実にタイムリー。関西の、通える地域のフランス語学校を見ると、伝統と信頼の関西日仏学館がよさそうです。というか、それ以外に選択肢はないようです。だって、天神橋も中之島も遠いんやもん。北浜はありかも知れんけど、それでも京都在住の身としてはちょっと辛いものがあります、ありませんか? 駅前留学のNOVAも考えました。けれど僕の生活域の最寄り駅前にはNOVAはない。なので、やっぱり関西日仏学館が妥当な線になりそうです。でも、百万遍も遠いんだよ……
でも学ぶ意欲があるなら、百万遍くらいの距離は問題にはならないはず。というわけで、ちょっと関西日仏学館あるいはフランス語学習そのものについて、ちょっと真面目に考え始めよう――と思った春だったのでした。
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