コンピュータとフランス語のいい関係

html編

 Macintoshで、Windowsでアクサン付きのアルファベを入力できるようになると、公開ということも考えたくなってきます。プリントアウトするならそのままでいいのですが、htmlで、つまりWebで公開しようとなるとちょっと難しいことになってきます。

 とはいっても、仕組みがわかればそれほど難しくはありません。それでは、htmlでアクサン付きアルファベを扱う方法とちょっとした注意点を説明していくとしましょう。

はじめに――文字コードについて

日本語の文字コード

 日本語で書かれたWebページの大半はShift-JISという文字コードを使っています。これのほかにはJISやEUCという文字コードも使われているのですが、残念ながらこれらの文字コードで書かれたページではアクサン付きのアルファベを使うことは出来ません。

 使えないといってもまったく方法がないわけではありません。全角文字でトレマの付いた e を見たことがある人もいるでしょう。こんな感じで他のアクサン付きアルファベもあるはずだと思えば、実はありません。というのは、これはロシアアルファベットであってフランス語でいうところのトレマ e 、あるいはドイツ語のウムラウト e ではないからなのです。

 現在、様々な言語の文字を一度に扱うことのできるコード体系、Unicodeが実用化されようとはしていますが、現実問題としてUnicodeを扱える環境の整備は間近とはいえ行き届いておらず、多くはShift-JIS環境だというのが実情です。

 そのため、アクサン付きアルファベのキー入力編では、フォントを欧文フォントに切り替えるようにと説明しました。では、html文書を作成する場合も、<font>タグやCSSを使って、欧文フォントに切り替えてやればいいのでしょうか。

 実はそれは間違いです。基本的にhtml中では単一の文字コードしか使えません。そうなるとShift-JISなどの日本語の文字コード体系には存在しないアクサン付きアルファベを使うべきではないでしょう。それにそもそも<font>はhtml4.01では廃棄されていますし、CSSは現在使われているすべてのブラウザが対応しているわけではないのです。

 日本語とアクサン付きアルファベの併用を嫌うのは、別に決まりごとだからというだけではありません。アクサン付きアルファベが隣り合った文字とくっついて、文字化けを起こす原因にもなるからです。

 なるたけ環境に依存しないサイト構築を考えるならば、無理を通すべきではないのです。

フランス語の文字コード

 日本の文字コードにフランスのアルファベが用意されてないとなると、必然的にフランス語の文字コードを使うことになります。フランス語の使える文字コードというのが、Latin-1と呼ばれるコード、iso-8859-1です。

 なら、この文字コードにiso-8859-1を指定してやればいいかといえば、それだけでは不充分です。というのも、MacintoshにしてもWindowsにしても、アクサン付きアルファベのあつかいはまちまちで、そのまま文書をやり取りできないからなのです。いうならば、環境ごとに異なる特殊文字を、異種環境間でやり取りできるように決められたのが、iso-8859-1なのです。

 では、そのまちまちの環境間で、アクサン付きアルファベを表示するにはどうすればいいのでしょうか。

 それには少々厄介なのですが、文字をhtmlで定められたやり方で記述してやらなければなりません。それには以下のように、アンパサンド(&)とセミコロン(;)の間にその文字を示す名前あるいは番号(等価数値)を挟み込みます。

アンパサンド(&):
&amp;
&#38;

 フランス語のアクサン付きアルファベについても同様で、&と;でその文字を示す名前や番号を挟めばいいのです。そうすれば、ブラウザがエンコードして表示してくれます。

 なお、現在では主に文字を示す名前が使われ、番号は使われません。ですがあえて番号も併記したのは、古いブラウザなどでは番号でないと正しく表示されない場合があるからです。また逆に、名前では表示されない場合もあり、このあたりはブラウザ頼りという側面があることは否めません。

 ですから、ここでは名前と数字の両方で表すことができるということだけ理解していただければ充分です。実際に記述するときには、名前を使うほうがより一般的でしょう。

 以下に、フランス語で使うアクサン付きアルファベとその他を一覧にしてみました。ぜひご覧下さい。


文字と名前一覧

アクサン−テギュ

a:
&aacute;
&#225;
A:
&Aacute;
&#193;
e:
&eacute;
&#233;
E:
&Eacute;
&#201;
i:
&iacute;
&#237;
I:
&Iacute;
&#205;
o:
&oacute;
&#243;
O:
&Oacute;
&#211;
u:
&uacute;
&#250;
U:
&Uacute;
&#218;

アクサン−グラーヴ

a:
&agrave;
&#224;
A:
&Agrave;
&#192;
e:
&egrave;
&#232;
E:
&Egrave;
&#200;
i:
&igrave;
&#236;
I:
&Igrave;
&#204;
o:
&ograve;
&#242;
O:
&Ograve;
&#210;
u:
&ugrave;
&#249;
U:
&Ugrave;
&#217;

アクサン−シルコンフレクス

a:
&acirc;
&#226;
A:
&Acirc;
&#194;
e:
&ecirc;
&#234;
E:
&Ecirc;
&#202;
i:
&icirc;
&#238;
I:
&Icirc;
&#206;
o:
&ocirc;
&#244;
O:
&Ocirc;
&#212;
u:
&ucirc;
&#251;
U:
&Ucirc;
&#219;

セディーユ

c:
&ccedil;
&#231;
C:
&Ccedil;
&#199;

トレマ

a:
&auml;
&#228;
A:
&Auml;
&#196;
e:
&euml;
&#235;
E:
&Euml;
&#203;
i:
&iuml;
&#239;
I:
&Iuml;
&#207;
o:
&ouml;
&#246;
O:
&Ouml;
&#214;
u:
&uuml;
&#252;
U:
&Uuml;
&#220;
y:
&yuml;
&#255;
Y:
&#159;

合字

ae:
&aelig;
&#198;
AE:
&AElig;
&#230;
oe:
&oelig;
&#339;
OE:
&OElig;
&#338;

ギュメ

《:
&laquo;
&#171;
》:
&raquo;
&#187;

 実際のところ、フランス語ではここまでごちゃごちゃとアクサン付きアルファベを使ったりはしませんが、多めに入れてみることにしました。そのせいで煩雑になった嫌いはありますが、なにが必要となるかは先にならないとわからないので、量を優先することにしました。

 別ファイルで、iso-8859-1で記述した版も作成しました。あわせて参照下さい。また、願わくば実際にフランス語のページを作成し、積極的な発信をしていただけると、同じ目標の同士として嬉しく思います。


コンピュータとフランス語のいい関係 キー入力編

コンピュータとフランス語のいい関係 日仏混在文書作成編

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公開日:2001.01.24
最終更新日:2002.06.30
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