夏休み最後の土曜日となる今日には、ドミニク・シャニョン氏のコンサートイベントがもよおされたのでした。あたかも僕の学習予定をおもんぱかったかのようではありませんか。だって、来週からは日仏学館が再開されます。土曜日日中のイベントは、ちょっと困ります。ちなみに、ドミニクというのはNHKフランス語会話に出演されている人気歌手です(うちのフランス語関連文書を読んでいる人には説明する必要もないとは思いますが)。もちろん、僕も好きだったりしますよ。彼は最高です。
コンサートイベントはグローバル・ユース・ビューローという旅行会社の主催によるもので、大阪は御堂会館で行われました。コンサートに旅行の説明会がついてくる(というか、逆か)形式で、入場は申し込み制で無料という豪儀さが素敵です。そのせいなのかお年寄りが非常に多いのが印象的。こりゃ全員がパトリック・ヌジェファンとかドミニクファンということはないなあ、と思ってたんだけど、そんなこと関係なしに動員数がすごい。結構広めの御堂会館大ホールが、開場の一時を少し過ぎた頃には一杯なんですから。まさか二時開演の催しの一時間前からこんなに押し寄せるとは思わなかったのは、僕の考えの浅はかさでした。
二時開演といいましても旅行の説明会から始まります。一番最初の、演壇上の話し上手の挨拶を聞いてたまではよかったのですが、スライドは寝ちゃいました。申し訳ない。写真は奇麗で全部見たかったんやけど、眠気と地頭には勝てない。ちょっともったいないことをしたと、本心から思っているのでゆるしてください。
コンサートが始まりました。演目はパトリック・ヌジェ氏の歌うちょっと懐かしのシャンソン・フランセーズ。『パリの空の下』や『枯葉』とか、とにかく有名どころが目白押しです。ドミニクはというと、舞台上手側でテレビでもおなじみの赤いベースを弾いていました。
でも、ドミニクが歌う歌わないにかかわらず、シャンソンはいいですね。演目は、
最後の二曲は、アンコール曲です。どうでしょう? 有名な曲ばかりなので、八割九割方は知ってるという人もたくさんいらっしゃるのではないかと思います。で強調されている『群衆』というのをドミニクが歌ったわけです。2001年度11月のドミニクと歌おうで取り上げられた曲であります。非常に乗りのよい編曲で、座って聞いているのがもったいないくらいの感じです。今度はぜひ、もうちょっと狭くてもいいから、フロアでやって欲しいなと思ったり思わなかったり。ドミニクだけじゃなく、ヌジェ氏の演奏もよかったですよ。かなりの進行上手で、観客をのせるのにものすごく長けている感じで、歌も冗談もレベルが高かった。ドミニクもいずれ、ああいう感じになるのでしょうか。
コンサートが終演後、ロビーではヌジェ氏のCD販売もあり、またサイン会もありました。で、そこにドミニク氏も現れるであろうという話だったので、待ちましたよ、待ちましたね、ロビーで。そうしたらやって来ましたよ、ドミニク氏。僕にとってはここからが本番、フランス語会話的実践の機会です。
ドミニクの前に進み出てまずは挨拶、そして続けざまに、いつもテレビで拝見してます、ありがとう、どういたしまして。握手してこれでおしまい。駄目だっ、駄目駄目だっ。こんなのフランス語会話じゃないよ。でも、もうちょっとたくさんしゃべったような気もするんだけど、案外覚えていない。まあなんといいますか、舞い上がってたんでしょうね。僕は、ほら、気が小さいですから。でもちゃっかりサインももらって、でも本当にいいたかった、関西でまた演奏会を開いてください、そうしたら絶対聴きにいきます、をいえなかったのは痛恨でした。気弱というのは時に罪悪です。
しかし、ドミニク及びヌジェ氏に集まる人の数はすごかったですよ。入場の際に思った、ドミニクファンは少なそうだというのは実に大間違い。若い女性からおじいさんおばあさんまで、実に多様な支持層を集めていた。うむ、テレビの力というのはすごいのであります。また語学学習者層の幅広さというのも驚くべきなのであります。フランス語会話のテキストにサインしてもらっている人も多くて、正直感動しました。仲間はたくさんいるぞ。ドミニクファンの輪は、かくも広がるのであります。
ドミニクの手は分厚くて柔らかくて暖かかったなあ。ちっ、ミーハーにもほどがあるぜ。――ドミニク最高です。
< またもや国際交流会館へ行く いまだ先行き掴めぬ八月末日 >
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