何度も言いますが僕は貧乏性で、ちょっとしたものでも使わず保存しておく性質なのです。今回のワインに関しても同様、そもそもボージョレ・ヌーヴォというのは、その年に作られたワインがどういう出来かをはかるものであり、またボージョレ解禁の日に一斉に開けて、この年のワインはどうだこうだと言い合って楽しむ、お祭りみたいな要素のあるワインなんですな。
なのに、五月まで残しとくなんてなんだい。ちなみにこのワインの解禁日は2002年11月21日でした。って、去年じゃないか。というわけで、僕の貧乏性っぷりがよく分かるエピソードでありましょう。
でもまあ、佐藤雅彦氏の言う解禁になってから一ヶ月半後に飲むボジョレーヌーボー
の例えに比べれば、半年も経ってしまっているのでむしろ開き直って堂々としたものです。
なんだか、特になんの理由もなく開けたボージョレ・ヌーヴォ。大して期待していたわけじゃないんですね。どうせ若いワインだもんで、それほど味わいどうこう言うものじゃないんですから。とはいいながらも、2002年のものはよかったと聞いています(2001年もよかったと聞いた気がしますが)。だからまあ先の分かったレースみたいなもので、気にせず飲んでしまったわけですね。
飲んだ印象は、フルーティな香りがあり軽くすっきりと飲める、甘くないジュースという感じです。しつこさやえぐさ、痩せた感じはないので、やはり世間の評が示すようによい出来なのでしょう。むしろ飲みやすさがあるので、簡単に飲んでしまう危険がある、――危険というのは、ボージョレはいくら飲みやすいとはいえアルコール度数が15%前後あって、決して弱い酒ではないという点においてです。
さすがに一本全部開ける暴挙は犯しませんでしたが、幾分(どころか)酔ってしまっているので、こういうときの言説は信頼できるものじゃありませんな。でもこれだけ酔うほどに飲んだというのは飲みやすくおいしかった証拠だとして、でもたまにはしっかりとしたワインも飲みたいと思うのですね。
だから、この2002年のワインが熟成して出回る頃を待って、その時に今日の成果を実際のものとして試したい。だって歳の浅い自分は、ワインの出来をどうこう言えるほど分かっているわけではないのですから。