本日のワイン:Cotes du Rhone rouge
本日のチーズ:
無教養にワインを愉しむという趣向でやっております。
家族のものとのチーズの好みがあわないという不幸のため、うちに買って帰るよりもテイスティングカウンター(ぶっちゃけていえば、ワインの立飲み)で、好きなチーズ、ワインを飲み食いして帰ることの多くなっていた昨今ですが、どうやら世間では母の日ということ。日頃世話になっている母への礼ということで(口実にはあらず)、母でもおいしくいただけそうなチーズと、それにあうワインを買ってくることにしました。
チーズ売り場で、癖はなく味わいは深いものはどれかと聞くと、やはりカマンベールがよいのではないかということ。すすめられたものをすすめられるままに、これにあうワインはと聞くと、やはり赤、フルーティなものがいいのではないかということでした。それで選んでみたのが、今回のワインでした。
程よく熟成されて香りも芳純。クリーミーで牛乳の風味もしっかりと残っていながら、深く豊かにやさしく広がる味わいがあって、いい頃合いに食べることができてよかったです。
円周内側は少々おとなしめで、外周に向かうにつれて、個性が強くなっていきます。好みの違いによるでしょうが、外周の皮の部分が固くしまったところが、いたく気に入りました。
決して弱いチーズではなかったので、いわば万人向けといえるのではないでしょうか。
軽めのボディかと思って買ったら、想像以上にしっかりしていて驚きました。開けてすぐは、渋味が強すぎて飲むに飲まれないものでしたが、デキャンタして時間をおけば、とんがっていた部分が丸くなって、程よい渋味に隠れていた酸味が膨らんで、フルーティな芳香が広がってよい感じです。
ボディは決して軽いものではなかったので、それこそブルーチーズなどの癖の強いチーズとあわせても、堂々渡りあって、支え味わいを引き出しあっただろうものと、少々残念に思うほどでした。けれど、今回のチーズであるカマンベールもしっかりと自身を支えうるほどにふくよかなものだったので、むしろワインはさわやかさに感じられました。
さわやかにありながら、中心が抜けたような軽々しさはなく、バランスのとれて本当によい時間を過ごすことのできる、よいワインでした。