単刀直入にいう。ギター買った。Fender JapanのMG69、そうムスタングだ。赤の白ピックガード、マッチングヘッドのやつ、といった時点でわかる人にはわかる。そう、アニメ『けいおん!』で中野梓が使っていたモデルっぽいやつだ。ぽい? というのは、過去に赤のマッチングヘッドは存在しなかったからだそうで、実際に存在したものでいえばCAR、キャンディ・アップル・レッドがどうもそれっぽいとかなんとか。でも、まあ気にしない。だいたい私はもともとムスタングには興味があって、けれどあれは弾きにくいだとか、音程がシビアとか、ダイナミック・ヴィブラートがダイナミックすぎて、チューニングがえらいことになるとか、そんなことばっかりいわれていたから尻込みしてしまっていたんだな。でも、これを機会と思って、思い切って買ってみよう。けれど、競争のように通販で買うのは避けたい。実店舗で、別に慌てることもなく、ちゃんと試奏できるようなら買おう。そう思っていたのだ。
そうしたら、生活圏にMG69/MH REDが入荷してしまった。おーまい、なんてこった。
試奏させてもらって、気に入るようなら買ってみようか。そう思って、けれどムスタングだけじゃわからないかも知れん。といったわけで、ジャガーと別のムスタング、MG73/COも合わせて試奏してみたのだった。
ジャガーは多分JG66B、けど自信がない。色は赤、メタリックだったからOCR、でもCARって書いたあったような気がするんだけどな。で、マッチングヘッド。そうか、CARだとこんな感じの色なのか、って思ったのを覚えている。ともあれ、これを弾いてみて、ああ、こいつは自分には駄目だと思ったのさ。いや、楽器が悪いんじゃなくて、スイッチが多すぎるんだわ。マスターコントロールとプリセットコントロールの2系統があって、スイッチひとつでフロントのセッティングを切り替え可能。マスターはフロント、リアのオンオフスイッチがあり、そしてローカットスイッチも。けど、ローカットって確かに音は変わるんだけど、ブラインドテストされたら、きっとどっちがローカットとかって自信持っていえない。こりゃ駄目だ、自分には難しすぎる、観念したね。次いこう、次。
そして、ムスタングの試奏に移って、もしMG73の方がよかったらいやだなと思って、しかしこのふたつ、どこが違うのか。コンペティション・ラインの有無とかはこの際、どうでもいい。そういえば、ムスタングにはボディがポプラのがあったな、そう思って確認したら、どちらも同じ材らしい。ペグのボタンが違いますよ、あ、本当だ! って、正直これもどっちでもいいなあ。で、とにかく弾いてみた。
まずは、MG73。さすがショートスケール、さすがエレキの弦。強く押さえすぎてシャープして、ああ、加減が難しいな。で、私はピックで弾く時にはブリッジあたりに手を置く癖があるんだが、それをやるとダイナミック・ヴィブラートに触れて音程が揺れるというね。まあいいや、わざとだっていい張ろう。そうした楽器固有の癖は感じたけれど、特にこれが弾きにくいとかは思わないけれどなあ。高音なんて、レスポールより断然弾きやすいぜ?
楽器にはやっぱり個体差がある。MG73を弾いて、思ったより音が出ないもんだな、ピッキングが弱いのかもと思って、MG69に持ち替えて弾いてみたら、さっきより出る。ケーブル差し替えの際にボリュームの開きが変わったのか? ひとしきり弾いて、MG73に変えてみたら、やっぱり音の出が違う。69の方が出るように感じる。ちょっと太め。73はこもるというほどではないが、ちょっと前に出ないという印象があって、こりゃMG69だな。以上で購入が決定した。
といったわけで、ムスタングのオーナーになってしまった。じゃあ、名前でもつけるか。ムスタングだから、むっ、いや、あず、いや、マスタングだから、まっさんだな。いや、ごめん、嘘。私は楽器に名前つけるようなロマンチストじゃないんだ。しかし、ピカピカの真っ赤なムスタング、可愛いなあ。でも添い寝はしない。