今日はクリスマス。だが、私にとっては、今年最後の出勤日、つまり仕事納めの日でもあった。今日が終われば、次に仕事にいくのは、年が明けて、4日となるか。この長期の休みを前にして、迷ったのが楽器を持って帰るかどうかであった。
職場に置いているギターは、古いヤマハのナイロン弦ギター、友人からもらったものだ。表板、ブックマッチが剥がれてきているなど、そこかしこにガタがきているのだが、しかしそれでもまだしっかり弾けるギターなのだ。そのギターを持って帰るかどうかを、仕事を終え、帰り支度をする最中、ふと考えたのだった。
持って帰る。それはつまり弾くかどうかが問題だ。弾くだろうかと考えた時に、うちにはうちでまたいろいろと楽器があるのだから、あえてこれを持って帰る必要はない。職場に置き去りというのもいやだと思ったが、ゴールデンウィークなど、これまでも長期の休みはあったが、その時も持って帰らなかった。はたして、どうするか。迷った末の結論は、置いて帰るであった。
結局は、持ち運びの手間が問題だったのだ。持って帰るのはいい。しかし、次に持ってくるのが問題で、朝の通勤時間帯。混んだ電車に決して小さくないギターケースを持ち込む。迷惑だろう。そう考えて、持って帰ることを断念したのだった。
年が明けたら、また会おう。心の中で軽く挨拶して、職場における私の今年は終わったのだった。