大分前に友人の家にいったらギターが毛布に包まれて部屋の隅においてあって、見せてもらったらナイロン弦のギター。父親がどこか古物屋かなんかで買ってきたんじゃないかなという話だった。随分たってから、もしその楽器を使わないようだったら呉れないだろうかと、非常に厚かましいお願いをしたのさ。そうしたらいただけることになって、こうして私のうちにギターがまた一本増えた。
この、現在において、わが家唯一のクラシックギターである頂き物の由来を改めて聞くことができて、その話によれば、古物屋で買ったというのは間違いであったらしい。なんでも父上が若い頃に買ったという話で、なんだ、そういう由来があるのなら、本当に厚かましいお願いをしてしまって申し訳がないと思った。けれどお父上も快くくださったそうで、なんと手元にきてみると、弦が新しく張り替えられていた。うわあ、これはありがたい話。一応いつ手元にきてもいいように、J. D'AddarioのPro-Arté EJ45は買ってあったんだが、いや実にありがたいことである。チューニングまでされていて、本当に至れり尽くせり。ちゃんと弾かないと罰が当ると思った。
さて、この楽器、メーカーは日本楽器製造時代のヤマハで、サウンドホールを除けばNo. 45という番号が見える。ネットもちょっとさまよってみたが、残念ながらこれ以上の情報は出てこなかった。もちろん製造年代もわからないのだが、ヘッドを見ればJISマークがあって、それを手がかりに探してみれば、サンデーギタリストの会で紹介されているヤマハに似ている。見るかぎり材も同じようで、おそらくは兄弟にあたる楽器であると思われる。
材は、側板裏板がメイプルで、きれいに虎の杢がはいっていて驚いた。ブリッジはおそらくローズウッドで、多分指板も同じ。ネック材はメイプルだろう。そして重要な表板であるが、残念ながら私には松だか杉だかわからない。その色から杉かとも思ったが、経年で変化した松かも知れない。いずれにしても私には手元にあるこの楽器以外にはないのであるから、松でも杉でも構わない。重要なのは音が出るかどうかだ。
音は、一般的なガットギターを、北海道のペンションでしか弾いたことがないのでわからんのだが、ちゃんとしていると思う。低音もきれいに出るし、響いている。高音は痩せてるのだかどうだかわからない。けれど、音がこもりすぎて弾きにくいとは感じない。よく木が乾燥しているからだろうか。
オクターブピッチもちゃんとしていて、これはありがたかった。ネックにも反りは見られない模様で、フレットが18までしかないのは気になるが、というのは今私が使っている教則本には19フレットを使う練習曲が出てくるからなんだが、まあどうしようもなければマッチ棒でも使って、フレットを自作しよう。普段の練習はドレッドノートでするだろうから、この楽器を実用にする局面で、19フレットがなくて困るということは当分ないだろう。
そんな感じで、念願のガットギターを入手して、というのは、私はちょっと習いにいこうかと思っておるんだね。だからどうしてもガットギターが欲しかったわけさ。とりあえずは持ち運び用にケースを買うとして、2005年はさらにギターにがんばろうと思う私にとって、大変幸先よい話であった。
ケースを買った >