ウクレレ、弾いてみて思うところ

 簡単だと人のいうウクレレ。弾いてみると確かにギターよりかは気楽に弾ける。ふむふむ、簡単と言われるだけはあるなと感心するも、でも実は思ったように弾くのはとても難しい。意外と難しいウクレレ。弾いてみて初めて分かるウクレレ。なので今回はウクレレに関しての雑観。

シビアなチューニング

 ウクレレにせよギターにせよなんにせよ、楽器は最初にチューニングしてやらなければならないのは道理である。じゃないといくらなんでも演奏に堪えない。調律されていない弦楽器なんて到底楽器と呼べる代物ではないのだ。

 だもんでウクレレもチューニングするんだけど、これが慣れるまでは本当に一苦労だった。ウクレレは調子笛を使って調律するようにしてい。その調子笛というのはサックスを吹いていた時に買ったもので、実は一度も使ったことがなかった。サックスを吹くのと同時に調子笛は吹けないというのが使わなかった理由で、まあ考えれば当たり前なのだが買う前にはそんなこと思いもよらなかった。

 ともあれ吹奏楽器用の調子笛はAが出る吹奏楽器用の調子笛はB♭が出たりするので、チューナーかなにか違うものを使ってウクレレのAの弦合わせることになる。ウクレレのAの出る弦は一番高い1弦で、それを基準にして他の弦を合わせていくのだが、これが実にデリケートにできていて簡単に失敗するのだから難しい。

 チューニング用のペグをちょっとずつ回して音を上げながら合わせていくのだが、もうちょっとで合うというときに加減を誤ると大幅に行き過ぎてしまってまた音を下げないといけない。でちょっとずつまた上げていって、もうちょっとというところで妥協するか頑張るかを逡巡するのである。

 こうして苦労して合わせた弦だが、これがまた簡単に下がるのである。弾いていると下がる。それはまあかまわない。けれど他の弦を合わせている間に下がっているというのはどうしたことだろう。弦を変えた直後なんかがひどい。いくら合わせても合わない。弦が安定するのには一週間くらいかかって、そうなれば随分と改善されるんだけれども、それでもちょっとさわっていると下がってしまっている。

 あまりにチューニングが合わないのにへこたれるあまり、廣瀬量平先生にウクレレというのは音程の悪い楽器なのですかと歎いたら、そんなことはないでしょうと言われてしまった。それがもう一週間前の話。この一週間でウクレレのチューニングにも随分慣れてきた。

 そう、この頃やっと妥協点を探れるようになってきたのだよ。欲張ると失敗するのは変わらんのだけど。そんなわけで僕の調弦には、ああっ行き過ぎてしまったという嘆きが今日もついて回るのである。

音程が下がりやすい場合

 これは基本で言うまでもないことなんだが、ペグが緩んでいる時には当然音程は下がりやすくなる。そうした場合にはペグの裏側にあるねじを締めてやるといいと、学校の後輩が教えてくれた。そうなんじゃないかと思っていたんだけれど、ねじを締める踏ん切りがつかなかったのである。ありがとう後輩、おかげでねじを締める勇気が出ました。

 当然ながらねじを締めればペグは固くなるので、チューニングの際にも回しにくくなる。だもんで微調整はより難しくなる。動いたか動いてないか指先が感じるぎりぎりくらいで音程は合うのである。それがかくっと動く。半分も四分の一もまわらないほどだが、目に見えるほど動けば決まって音程は行き過ぎる。

 私のギターにはロートマチックタイプというペグが付いていてこれは実にスムーズにまわるので、ウクレレにもこの手のペグが付けばチューニングは楽になるなと思いながら、ちょっと甘いチューニングもウクレレの味のようにも思うので現状の単純な構造のペグでもかまわないかと思っている。

ねじを締めるときの注意

 ウクレレのペグにあるねじ。これを締めるときに締めすぎるのはいけないそうである。強く締めすぎるとチューニングしにくくなる(上に述べた通りだ)。だがこの段階を超えてさらに強く締めると、ペグのプラスチック部分が割れてしまうこともあるのだとか。自分が初めて締めるときには、ペグの付いているヘッドに悪影響があるのではないかと心配したが、木よりもまずプラスチックだったか。

 ともあれ割りはしなかったので、後は適当に今の感じを維持しながらペグも長く使っていきたいものだ。

おまけ:私のチューニング手順

  1. 第1弦を調子笛でAに合わせる。

    ぶっちゃけこれはいいかげんでかまわない。だって誰に合わせるわけでもないので、本当はなんの音に合わせる必要もなかったりするのだ。まあ一応の目安というやつです。

  2. 第2弦第5フレットを第1弦のAに合わせる。

  3. 第3弦第4フレットを第2弦のEに合わせる。

    ところがこれがZOLELEの調子なのかウクレレというのがそういうものなのか、Eで合わせたつもりでも開放がぶら下がって聞こえるので、ちょっと高めで合わせるようにしている。

    これが一般的なのかどうかはもちろん知らない。

  4. 第4弦第2フレットを第1弦のAに合わせる。

    つまりはいわゆるHigh Gチューニングというので弾いているわけだ。Low Gとやらにする予定は今のところもっぱら皆無である。


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公開日:2003.02.25
最終更新日:2003.03.23
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